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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 144ページ)
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ところがラブリはすぐに倒されてしまいました。
「強すぎますよ・・・・」
星野くんはそんなラブリにおかまいなく、マロンくんたちを攻撃しようと振り返ったときには、彼らの姿はありませんでした。
「なるほど。きみは時間かせぎの役目を引き受けたというわけですね」
星野くんは冷静に状況を分析して、部屋を出ました。
一方そのころ、マロンくんたちはホテルの外にいました。
「ラブリ・・・」
王子が心配そうにつぶやきます。
「ラブリさんは大丈夫だよ」
マロンくんは明るく言いましたが、その表情は不安でいっぱいのようです。
「星野くんは虐待されたせいで、自分を天使だと思い込むようになったのかもしれないね。ぼくは星野くんが海を怖がるわけは水着姿を見られたくないってことじゃないかと思っていたけど、まさか本当にあたるなんて・・・」
「マロン様、力也様、メープルお嬢様、王子様。ぼく、さっきから気になることがあるのですが・・・・」
「どうかしたの、ラグくん?」
「ご主人様はどこにいらっしゃるんでしょうか・・・・」
「「あ!」」
ふたりは博士のことをすっかり忘れていました。
「そうだよ、ラグくん!博士に頼んで応援を呼んでもらおうよ!」
「ハッハッハッハッハ!そんなこともあろうかと応援ならとっくの昔に呼んであるよ、マロンくん」
後ろから声がしたので、振り向くと博士が立っていました。
「博士!」
マロンくんは博士にとびつくと強く強く抱きしめました。
「ありがとございます!それで、応援は誰を・・・?」
「アップルくんとピエールくんのふたり」
「え・・・・?」
アップルくんは世界一の美声を持つオランダ出身の男の子。
ピエールくんは手品が大好きな男の子です。
マロンくんは正直あのふたりで大丈夫かなと思いました。
「きみたちは知らないだろうけど、アップルくんは少年柔道大会で優勝、ピエールくんは少年空手大会で優勝経験があるのだよ!」
初めて知る驚愕の事実にみんなは驚きを隠せませんでした。