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パンプキン王子の冒険【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 144ページ)
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「悪いけど、ぼくには効果なしだよ。いくよ、必殺お茶拳!
オチャ、コウチャ、ウーロンチャー!」

次々と繰り出されるめまぐるしい拳法に苦戦するラブリ。

「実はぼくはひとりじゃないんだ。もうひとり、助っ人がいるんだよ」

王李くんがそういうと、目の前に、やさしい黒っぽい目をして、ばら色のほおをしたかわいい子が現れました。
ロールされた金髪がクロワッサンの形に似ています。

「この子はストロベリー・クロワッサン。この子がきみたちふたりの相手をしてくれるから、ぼくはのんびりと静観することにするかな」

「・・・・・・・」

クロワッサンはゆっくりと近づいてきます。
ドレスを着て、長いブーツを履いています。顔がかわいいので、男の子か女の子かよくわかりません。

「きみは男ですか?」

するとクロワッサンはお絵かきボードにサラサラと字を書きました。

「・・・・・・・・(秘密です)」

「女ですか」

「・・・(今は秘密です)」

「中途半端な答え方をされてもこまりますね」

すると、クロワッサンは涙をボロボロ流して泣いてしまいました。

「泣き虫ですね。これぐらいの悪口で泣くって情けないですね」

「・・・・・・・」

「何かしゃべったらどうですか?それとも、口がきけないんですか」

「・・・・・・・(コクッ)」

「ボクにとってはあなたが男か女かなんてたいしたことじゃありません。ボクにとってはただの敵ですから。すぐに勝負をつけてあげます」

すると、クロワッサンはぺこりと丁寧におじぎをしました。

礼儀正しい性格のようです。

「それではいきますね」

ラブリはふわりと舞い上がり、キックを繰り出しました。

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