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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*15*

「第15話コンテナの中のプラズマ団」
 アデクと別れ、跳ね橋へと向かうムツミ。そして近くまで来ると、カミツレがちょっとしたこぼれ話を言った。
 「このホドモエの跳ね橋は時折、リザードンの鳴き声が聞こえることからリザードン橋と呼ばれているの」
 そう言った後、カミツレはイヤホンをかけて遠くにいるホドモエシティにいる誰かと交信した。橋を下ろすようお願いした。
 「さあ、見てて」
 そう言うと、やがて高く立っていた跳ね橋が下ろされ、一つの橋になった。
 「次のジムリーダーは中々クセのあるおじさんよ。じゃあ、私は次の仕事があるから、頑張ってね」
 カミツレはライモンシティへと戻っていった。ムツミはチェレンと顔を合わせた。チェレンは作り笑顔をして言った。
 「僕はトレーナーだ。戦うことで自分の強さ、正しさを照明するよ。チャンピオンに対してもね」
 そう言って、チェレンは跳ね橋を歩いて行った。ムツミもその後ろを追いかけていった。そしてたどり着いたのが水の街、ホドモエシティである。地面から取れる鉱石で交易をしている街である。ムツミはルンルンとスキップして歩いていた。近くの橋まで来ると、チェレンがそのクセのあるおっさんに捕まっていた。どうやら何かあったようだ。近付くと、そのクセのあるおっさんは、おかんむりな顔をしていた。
 「お前らがカミツレの言っていたトレーナーか。わしがこの街のジムリーダー、ヤーコンだ。歓迎なんかしないぞ。お前たちのために橋を下ろしたがために、プラズマ団が街中に逃げてしまったからな」
 そう言ってヤーコンは怒っている理由を話した。
 「でも、その事とプラズマ団は関係ないのでは?」
 「どうとでも言え」
 チェレンの言葉に、ヤーコンは耳を貸さなかった。そして、
 「大事なことは、お前達が来た。そしてプラズマ団が街中へと逃げた。自分でも強引だと思うが、プラズマ団を探せ。凄腕のトレーナーなんだろ」
 そう言って、こう切り出した。
 「プラズマ団を探したら、俺様と戦ってやってもいいぞ。人生はギブアンドテイク」
 出来たらジムで相手になってやる、そう言い残してプラズマ団を探していった。
 「やれやれ、メンドーなことになったな、ムツミ」
 「仕方ないよ。取り敢えず、地道に探していこう」
 「そうだね」
 ムツミとチェレンはホドモエシティに潜んでいるかもしれないプラズマ団を探し始めた。コンテナの隙間、教会の中、商店街、と色々と探し回ったあと、ある場所に行き着いた。そこは氷を保管する冷凍コンテナだった。
 「よし、ここにいるかもしれないね」
 「よし、じゃあ入ろう」
 ムツミとチェレンは早速、冷凍コンテナ室へと入った。部屋の中は身が凍りついてしまうほど寒い氷の世界だった。
 「う〜、寒い。このままじゃ凍っちゃうよ」
 思わずブルブルと体を震わせるムツミ。一方、チェレンは真剣そうな顔をして、こんな一言を言った。
 「ムツミ、チャンピオンになって、何をするのかな?」
 「え?」
 「なんて、言ってもわかるはずがないよね。さ、さっさと探そうよ」
 チェレンはすぐに凍てつくコンテナを歩いて行った。
 「私も〜、て言いたいけど、すごく寒いよ〜、はっくしょん!」
 ムツミはあまりの寒さにくしゃみをした。すると、ジャノビーを始めとした仲間たちが彼女の廻りを囲むようにくっついた。
 「皆、ありがとう・・・。温めてくれるんだね。よっし、おかげで元気百倍だよ。さ、元気よく、レッツゴーっ!」
 仲間たちから元気をもらったムツミは元気リンリンとコンテナをジャノビー達と歩いて行った。そしてある物に目が入った。それはなかの空いているコンテナだった。
 「・・・・・・」
 コンテナにじーっと目をやっていると、チェレンがやってきた。
 「その中にいるのかい?」
 「もしかしたら・・・」
 「よし、入ってみよう」
 早速、中に入る二人。そこには文字通り、丸くなっているプラズマ団達がいた。どうやら一人の賢者を温めているようだ。
 「お前達、もっと温んでくれ。寒くてたまらん」
 これに、見かねたチェレンは皮肉たっぷりに言った。
 「こんな所に隠れていたなんてね。外へ送ってあげようか」
 「ぬ、こ奴らは、お前たち、蹴散らしてしまえ」
 賢者ヴィオが言うと、プラズマ団達がムツミとチェレンの前に立ちはだかった。
 「さあ、かかってこい!」
 「七賢人様は渡さん!」
 八人組のプラズマ団はミネズミ、ズルッグ、メグロコ、ヤブクロン達を繰り出してきた。チェレンはガントル、ヤナップ、ハトーボー、チャオブーを繰り出し、ムツミはハーデリア、ジャノビー、ダゲキ、ヒヤップを出した。
 「ガントル、ロックブラスト!ハトーボー、エアカッターっ!」
 ガントルはロックブラスト、ハトーボーはエアカッターを飛ばして群がるミネズミ、ズルッグ達を一掃した。ヒヤップとチャオブーはみずでっぽうとかえんほうしゃの合体攻撃でメグロコの軍団を吹っ飛ばす。
 「ジャノビー、グラスミキサー!」
 ムツミの指示で、ジャノビーはグラスミキサーで、そしてダゲキは回転げりでヤブクロン達を倒していった。最後にハーデリアが、かいりきでワルビルを倒した。負けたプラズマ団達は、根拠のない思い込みを言った。
 「救い出したポケモン達を運んでいる途中でヤーコンっていう変なおっさんに見つかったのよ」
 「人間と共に働くポケモン達、楽しそうに見えるが、きっと苦しめられているに違いない!」
 そこへ、部下を連れたヤーコンが駆けつけた。
 「おう、このポケモン泥棒達、こんな所にいたのか。よし、こいつらを連れて行け!」
 ヤーコンの指示により、プラズマ団は外へ連行された。そして彼は二人に言った。
 「よし、お前達。俺様のジムにこい。約束だからな。あまり待たせるなよ」
 ヤーコンは一言付け加えて、冷凍コンテナを後にした。
 「さ、ムツミ。僕らも行こう。ここは寒くてかなわないよ」
 「うん、そうだね。同感」
 二人は、互の顔を合わせると、急いで、コンテナの外へと走っていった・・・。


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 月影さん、コメントありがとうございます。

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