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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*16*

「第16話うなるじならし!ホドモエジム!」
 プラズマ団の確保に成功したムツミは、早速、ホドモエジムに挑戦に来た。そこでムツミは、プラズマ団のゲーチスが仲間を連れてヤーコンと会話をしているのを見つけた。
 「始めましてヤーコンさん。ワタクシはゲーチス。プラズマ団のゲーチスです。お世話になった同士を引き取りに来ました」
 「なに、礼はいらんよ。あんたのお仲間がこの街で悪さをしていたんでね」
 「おや、どうやら誤解があるようで。ワタクシ達は、悪い人間達からポケモンを救っているのですよ」
 ゲーチスの発言に、ヤーコンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
 「その言葉、真実だといいがね。わしは正直者ゆえ、言葉遣いは悪い。だがあんたは言葉は綺麗だがどうもきな臭い」
 そう言うヤーコンに、ゲーチスは意味深な言葉を放った。
 「実はプラズマ団としてもホドモエシティに興味がありましてね。ワタクシの他にも大勢の同士がここに居るのですよ」
 「その言葉、真実だといいがね。だが、戦わずに勝とうとはやるじゃねえか。ふん、解ったよ!こいつらを連れて帰りな!」
 ヤーコンは不本意ながらも、プラズマ団をゲーチスに引き渡すことにした。ヴィオと下っ端達はゲーチスに感謝する。ゲーチスは、また会うこともあるでしょうと言い残して、雲のように消えていった。
 ムツミは改めて、プラズマ団の不気味さと冷血さを感じた。彼女と目があったヤーコンはムツミんに言った。
 「ああ、お前か。すまなかったな。ま、気を取り直して、俺様と勝負と行こうぜ!」
 ヤーコンはすぐにジムへと入っていった。
 「さ、私達も、気を取り直して、レッツゴーっ!」
 ムツミは持ち前の明るさを出してホドモエジムに入っていく。そしてまず、ガイドーからおいしいみずをもらうと、地下用のエレベーターのスイッチを押して地下の一番深くにいるヤーコンの構える地下道に足を踏み入れた。奥にいるのは、じめんタイプのポケモンを武器とするヤーコン。ムツミは一歩一歩と歩いていき、ヤーコンに対峙する。
 「ヤーコンさん。勝負をお願いします!」
 「おう、来やがったか。さて、カミツレがお前のどこを気に入ったか、そのお手並み、拝見させてもらうぜ!」
 バトルが始まった。ヤーコンはワルビルを繰り出し、ムツミはヒヤップを出した。
 「行けい、ワルビル!」
 「グルルル!」
 唸り声をあげると、ワルビルは突進してきた。ヒヤップはジャンプして背後に廻り、みずでっぽうを飛ばした。しかしワルビルはしっぽを振るってこれを払った。威力が小さいのだ。
 「みずタイプで来たか。だが、俺様のワルビルはそう簡単には倒せねえぞ!」
 (強い!でも、負ける気はしない!)
 ムツミは心の中でそうつぶやき、ヒヤップにねっとうを使わせた。
 「飛べい、ワルビル!」
 ワルビルはジャンプしてこれをよけて、かみくだくでヒヤップに大ダメージを与えた。強力な攻撃にヒヤップは地に膝をついた。
 「さて、とどめと行こうか。ワルビル、あなをほる!」
 ワルビルはあなをほって次の攻撃に出た。
 「ヒヤップ、心を落ち着かせるの!」
 ムツミに言われ、ヒヤップは目を閉じて、ワルビルが出てくるのをじっと待った。やがてワルビルが背後から出てきた。ヒヤップはジャンプしてこれをかわした。
 「ヒヤップ、しおみず!」
 ヒヤップはしおみずを飛ばして、ワルビルに浴びせた。まさかの攻撃に大ダメージを受けたワルビルは力尽きた。
 「やられたか、だが勝負は始まったばかりよ、行けい!」
 次にヤーコンはガマガルを繰り出した。登場するや、だくりゅうを使って攻撃に出た。これにムツミはジャノビーを出した。ジャノビーはすべるように走ると、リーフブレードをガマガルに叩き込んだ。一番苦手な技を食らったガマガルは、ドテッと倒れて倒れ込んでしまった。
 「なるほど、ここまで俺様を追い詰めるとはな。だが、諦めるのは簡単、いつだって出来ることよ!行けい、ドリュウズ!」
 ヤーコンが繰り出した最後の切り札、それははがねとじめんを併せ持つ、ちていポケモンのドリュウズだった。登場するやドリュウズは咆哮を上げた。ムツミはこれに怯むことなくダゲキを出した。
 「行けい、ドリュウズ!」
 「ダゲキ、行くのよ!」
 両者の指示を受けて二匹は突進して激突した。ドリュウズは頭にある角で突き刺そうとすると、ダゲキは白羽取りでこれを止める。そしてドリュウズの繰り出すパンチを次々とガードした。
 「よし、ドリュウズじならしだ!」
 指示を受けるとドリュウズはじならしを起こしてダゲキにダメージを与えた。
 「じならしは、相手の素早さを下げる効果があるのさ!」
 ヤーコンが言った通り、ダゲキの素早さは下がっていた。ダゲキはドリュウズに押されていた。攻撃のスピードが遅くなっていて、ドリュウズのパンチをまともにくらってしまった。そして、つばめがえしをくらい、吹っ飛ばされてしまった。
 「さて、この難局をどう切り抜ける?」
 今なら降参してもいいぞと、ヤーコンは言った。しかしムツミは冷静だった。自分は、決して諦めたりはしない・・!
 「皆が頑張ってくれるから、私も強くなることが出来る!私は負けない、ダゲキ、ローキック!」
 ムツミの言葉が響き、ダゲキは力強く立ち上がった。そして高くジャンプして、ドリュウズに強力なローキックをお見舞いした。ドリュウズの素早さが下がっている。ダゲキは連続的に攻撃を畳み掛けた。
 「何?!俺様のドリュウズが押されているだと!」
 「ヤーコンさん、ローキックも素早さを下げる効果があるの」
 「やるぜ、なら一気に決めてやる!ドリュウズ、つのドリルだ!」
 ヤーコンの指示を受け、ドリュウズは一撃必殺のつのドリルをダゲキに浴びせようと出た。ムツミはすぐさまダゲキにかわらわりで攻撃するよう指示、ダゲキは高くジャンプすると、つのドリルをかわして、かわらわりでドリュウズを叩きのめした。
 「ぐ、どりゅおおおお・・・!」
 ついにドリュウズは力尽きた。ヤーコンに勝利したムツミは仲間たちと勝利に沸き立った。一方、ヤーコンは自身の敗北に大笑いをしていた。
 「はっはっは。なるほど、気に入らねえな!カミツレのようにお前の強さを認める奴がいるってもんだ」
 そう言ってヤーコンは、受け取れとクエイクバッジをムツミに投げ渡した。ムツミは見事キャッチして決めポーズを取った。
 「バッジが五つか。さて、こいつもくれてやりたいところだが、お前、ちょっと電気石の洞窟に来い!」
 そう言って、ヤーコンはジムを後にした。
 「よーし、私たちも元気よく行くよーっ!」
 ムツミはVサインをすると、仲間たちと共に、ジムを後にし、電気石の洞窟へと向かった・・・。

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