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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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「第23話ライトストーン、ムツミの決意」
 プラズマ団に勝利したものの、Nを取り逃がしてしまったムツミ達。しかも伝説のポケモン、ゼクロムが目覚めてしまうという最悪の展開となってしまった。ムツミ達はすべてのことをアララギパパに伝えた。
 「そうか・・、中でゼクロムが、大変なことになったね。しかし君達が無事で何よりだ」
 「博士、Nはムツミにもう一体のドラゴンポケモンを探すよう言っていました」
 「レシラムだな」
 「?!」
 チェレンが博士にレシラムのことを言うと、アデクが姿を現した。
 「アデクか、久しいな」
 旧友の再会にアララギパパは喜んだが、アデクは深刻な顔をして言った。
 「あの稲光のポケモン、恐怖か、崇拝か、いずれにしよ世界は変わるだろう。そうなれば我々はポケモンと引き離されることになる・・・!」
 「アデク、ムツミくんの話によれば、Nと言う青年が彼女にレシラムを探すよう言ったらしい」
 「ふむ、その男の言葉に従うのは癪だが、止む終えん、行動するぞ。わしに心当たりがある」
 レシラムを呼び出すライトストーンを探すべく、アデクは動き出した。チェレンもこれに応じる。
 「アデクさん!」
 「おお、君は・・」
 「アデクさんの言葉の意味、ようやく解りました。僕もお供させてください!」
 「解ってくれたか、よし行くぞ!ムツミ、君も来てくれ!」
 「はい!」
 三人は行動を開始した。レシラムのライトストーンがあると思われるリゾートデザートの遺跡へと走っていった。一方、アララギパパは伝説のポケモンについて調べるべく、ハチクをボディーガードに塔の中へと入っていった・・・。
 そして、ムツミ達はリゾートデザートに到着した。先んじてムツミが中に入った。そこで待ち構えていたのは、あのプラズマ団だった。
 「プラズマ団!」
 「来たな、お前たちがここに来るのはお見通しだ!」
 「改革には痛みが伴うことを教えてやる!」
 プラズマ団はそれぞれの手持ちを繰り出してムツミ達を阻んだ。
 「私は止めてみせる、あなた達を!行けーっ!」
 ムツミはジャローダ達に指示を出した。ジャローダ、ミルホッグ、ムーランド達はプラズマ団のポケモン達をなぎ倒していった。数々のこ困難を乗り越えてきたムツミ達にプラズマ団は敵ではなかった。ムツミ達は奥へ奥へと進み、地下の5階にたどり着いた。そこにあったのはライトストーン・・・・ではなく、プラズマ団のゲーチスだった。
 「これは皆さん、ご苦労なことで。ですが、ここにお探しのライトストーンはありません。それはさて置き、おめでとう、ムツミ!あなたは我等が王に選ばれました。レシラムを探し出し、我が王と戦いなさい。だが、勝利するは、我等プラズマ団、世界支配の実現も目前と言うことです」
 ゲーチスの世界支配と言う言葉にアデクは食ってかかった。
 「お前達はポケモンを開放すると言っているが、人と共に生きるポケモン達はそれを望んでいるのか?お前達の勝手にはさせん!」
 息巻くアデクをゲーチスは冷やかに挑発した。
 「これはこれはアデク殿。長年のパートナーを亡くして無意味な旅を続けている・・。そのあなたに、ワタクシ達を止められるとでも?」
 「わしは負けぬ!ポケモンを愛するトレーナーのために、トレーナーを信じるポケモンのためにも!」
 「おやおや、王はあなたになど興味はない。もっとも戦うべきふさわしいのは、そこにいる彼女なのですから」
 「わしも随分とバカにされたものだな」
 「いえ、親切ですよ、親切。もっとも、ワタクシは人が絶望する姿を見るのは大好きですがね。精々頑張ることです・・・」
 アデク達を嘲笑って、ゲーチスは風のように消えていった。ムツミ達は、取り敢えず外に出ることにした。ゲーチスの非情な言葉にチェレンは怒りを露わにしていた。そして、肝心のライトストーンはなし。どうしたものか、と思われたその時、ムツミのライブキャスターが鳴り響いた。発信相手は、アララギ博士だった。
 「博士?!」
 「ムツミ、ムツミ!」
 「どうしたんですか博士、そんなに慌てて?!」
 「今すぐシッポウシティの博物館にいらっしゃい!今すぐよ!」
 アララギ博士はそう言い残して電源を切った。
 「アララギの娘か、声がここまで聞こえたぞ」
 「何かあったんでしょうか?」
 博物館で何があったのか、一抹の不安を抱えながらも、ムツミ達はシッポウシティを目指した。一方、チェレンはゲーチスの言葉を信じたくないと、遺跡の捜索を続けるのだった・・・。
 そして、ムツミとアデクはシッポウシティに着いた。博物館ではアララギ博士とそのパパ、ベルとアロエが待っていた。
 「ムツミ、大変なことに巻き込まれたのね・・」
 アララギ博士は心配そうな顔をしたが、ムツミは笑顔で答えた。 
 「大丈夫です。ここまでこれたのは、皆の力があったからのことです。私、旅に出たことを、少しも後悔はしてませんよ」
 「ムツミ、あなたは強いのね・・」
 「さて、あんたに渡すものがあるよ」
 アロエは一度博物館に戻ると、ムツミにある物を渡した。
 「これは?」
 渡された物、それはキダチ館長がただの綺麗な石と言っていた白い石だった。
 「博士が調べた所だと、塔の成分と似ていてね、もう一体の伝説のポケモンと関係があるんじゃないかって言うのさ」
 「それが、レシラムのライトストーンか・・」
 「アロエさん、ありがとうございます。それじゃあ」
 ムツミはライトストーンをアロエから受け取ろうとした。だがアデクがこれに待ったをかけた。
 「待て、ムツミ。そのストーンを持つことは、わしに万が一のことがあった時、つまり、Nと戦わねばならぬ時に使うことになる。その覚悟はあるか?」
 アデクは、N、プラズマ団との決戦に挑む勇気と覚悟はあるかとムツミに問いかけた。これを手にすることは、世界の運命を分けることになる。ムツミはしばし沈黙して、答えた。
 「私は、皆を信じて、ただがむしゃらに頑張ってきた。そんな自分に何が出来るか解らない・・。でも、プラズマ団がポケモンを引き離したら、悲しむ人が増えるだけだよ、私はポケモンが好き。どんな形をしていても、皆を幸せにしてくれる素敵な彼等を助けたい・・!だから、私は、戦います!」
 ポケモンから引き離されて涙を流す人を出さないため、姿形は違えども人を幸せに出来るポケモン達を守るために自分は戦う。自分の決意をムツミは話した。
 「そうか、それがお前の、変わらぬ決意なのだな。解った。このライトストーン、心して受け取れ!」
 アデクからムツミの手へ、ライトストーンが渡された。イッシュ、全世界の命運は、今、彼女に託されたのであった。プラズマ団との決戦は、今、始まろうとしている・・・!

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