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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*27*

「第26話最終章三部作助け合える世界?」
 Nとの最終決戦にムツミは勝利を収めた。ポケモンと人間の未来を守りきった喜びをムツミは抑えきれないでいた。
 「おお、遂にやったか!」
 そこへ、ヤーコン達ジムリーダー、チェレンとアデクがようやく駆けつけた。七賢人に勝利し、ムツミの身を案じてここまで来たのである。
 「おや、もう終わっちゃったみたいだね」
 アーティが辺りを見渡して言った。
 「いらぬ心配だったな」
 ハチクが頷く。
 「お姉ちゃん、これでもう大丈夫だよね!」
 ポケモンが引き離されることはないよね、とアイリスが言うとムツミは笑顔で答えた。
 「うん、もう大丈夫だよ」
 ムツミ達に安心感が生じていた。しかし一人Nだけは呆然としていた。
 「何故、何故僕は負けたんだ。全てにおいて完璧だったはずなのに・・・」
 ポケモンを想う気持ちは誰にも負けない。その自分が何故、そんな彼にヤーコンが言った。
 「どうして負けたかって?お前さんが一人だったからさ」
 「・・・・・・」
 「君にもポケモンを想う心はあっただろう、だが・・」
 「そのポケモンを最後まで信じきれなかった」
 シャガとハチクがNの敗因を言うと、Nは否定する。
 「信じきれなかったんじゃない、トモダチが傷つくのが嫌なだけだ!」
 勝負すると言う名目でトモダチであるポケモンが傷つくのが絶えられない。そう言うNにフウロは優しい口調で諭した。
 「確かに、勝負をすることで時には傷つくことだってある。でもね、それを乗り越えて、人とポケモンの絆は磨かれるのよ」
 「・・・・・・」
 「見なさい、ムツミのポケモン達を・・・」
 カミツレに言われてNはムツミのポケモン達を見た。そこには、強くたくましく、バトルが終わったあとにも関わらず活き活きとしているムツミのポケモン達の姿があった。
 「これは・・・」
 「この子達、最初は小さくて可愛いポケモン達。頼りなかった所もあったかもしれないけれどあの子と色んな苦難を乗り越えて、ここまで強くなれたのよ」
 彼女と仲間たちの強い絆が、彼らを強くする力になったのだとカミツレは言った。
 「Nくん、今ここにもポケモンを思って考えている人たちがいるんだよ。それでも、ポケモンを皆から引き離すの!」
 ムツミは人とポケモンの思いを語った。彼女の切実な思いにNはどうすべきか考える。
 「僕は・・・」
 「それでもワタクシと同じハルモニアの名を持つ男か、不甲斐ない息子め」
 そこへ、思いがけない人物が現れた。ゲーチスである。彼は苦虫を噛み潰したような顔でNに詰め寄った。
 「伝説のポケモンを手にしたまではいいが、どちらが真の英雄にふさわしいかを決めたいと喚いた結果がこれとは、愚かにもほどがある・・!つまりは歪で不完全なままという訳か・・・」
 冷たい眼差しでNに言うと、ゲーチスはムツミの方に顔を向けて言った。
 「ムツミ、貴様が勝つとは思ってもみなかった。だが、貴様が勝とうがワタクシの世界支配は変わらぬぞ!Nには今まで通りに王でいてもらうが、秘密を知った貴様らには消えてもらおう!」
 「今、何と言った。世界支配だと?!」
 ゲーチスの世界支配と言う言葉にアデクが待ったをかけた。アーティも驚いている。
 「ちょっと待ってよ。貴方たちのやることって、ポケモンを悪い人から救うことじゃ?」
 この言葉に、ゲーチスは開き直った態度で言った。
 「ああ、あれですか、あれはプラズマ団を作るための方便ですよ。ポケモンと言う役に立つ生き物を放って何になるというのです?ワタクシ達プラズマ団だけが使えればいいのだ!すべてはワタクシの欲望のために!」
 「き、貴様・・・!そんなくだらぬ理由で!」
 「ひどい・・、ひどすぎるよ!」
 アデクを始め多くが怒りをあらわにする中、ただ一人、フウロだけは両手を胸に当てて涙を流していた。アロエとヤーコンが怒る。
 「何て奴だい!」
 「思った通りだぜ!」
 「どうとでも言え、ムツミ!」
 ゲーチスは狂気的な顔をしてムツミの前に立った。
 「ワタクシは見たいのだ、貴様が絶望の底に落ちる姿を、貴様が絶望の涙を流す姿を!行け、我が同志達よ!」
 ゲーチスは五つのボールを投げた。現れたのはガマゲロゲ、デスカーン、バッフロン、キリキザン、シビルドン、凶悪なポケモン揃い。
 「お姉ちゃんが、危ない!」
 アイリスが助太刀に出ようとするとカミツレが止めた。
 「カミツレお姉ちゃん?!」
 「大丈夫、あの子は負けたりしないわ」
 そう言ってカミツレはアイリスにムツミを見るよう言った。ムツミの心には一寸の迷いはなかった。ムツミは逃げることなく立ち向かう。
 「私は、ポケモンと皆の心を、Nくんの心を踏みにじる貴方には、絶対に負けない」
 彼女の意を汲むように、ジャローダ達は頷いた。Nが一筋の光を出してムツミのポケモン達の体力を回復させる。
 「生意気な、行け、あの小娘を叩き潰せ!」
 ゲーチスの命を受けてガマゲロゲ達が雄叫びを上げて襲いかかる。ゲーチスとの最終決戦が、今、始まった・・・。

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