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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*28*

「第27話最終章三部作助け合える世界?」
 Nの敗北で遂に本性をあらわにしたゲーチス。ムツミとその仲間たちは敢然と立ち向かった。
 突撃してくるゲーチスのポケモン達にジャローダ、レパルダス、ダゲキ、ミルホッグ、レシラムがこれに挑んだ。ダゲキはバッフロンのとっしんを角を掴んで受け止めるも崖際まで追い込まれた。レパルダスはデスカーンのシャドーボールをかわしながら反撃の隙を伺いレシラムはシビルドンと激闘を演じた。
 「一進一退の攻防か、でも追い込まれてる・・・」
 「大丈夫だ、あいつは必ず勝つ!」
 心配するチェレンにヤーコンはムツミは必ず勝つと確信していた。そして、その通りになった。
 「行けーっ!」
 ムツミの合図でジャローダはリーフブレードを振るってガマゲロゲを打倒した。ミルホッグはいかりのまえばとけたぐりでキリキザンを倒し、ダゲキは回転投げでバッフロンを粉砕。レパルダスはシャドーボールでデスカーンを撃破し、最後にレシラムがクロスフレイムでシビルドンを叩きのめした。完膚なくまで倒されたゲーチスのポケモン達。
 「すごい、すごいよお姉ちゃん!」
 「いやー、ここまで強くなってたなんてね」
 ムツミの強さにアイリス達は感嘆した。残るゲーチスの手持ちはあと一匹。
 「ゲーチス、貴様の悪事もここまでだな!」
 アデクが勝ったとゲーチスに指を指して言った。しかし、ゲーチスは不敵な笑みを浮かべていた。
 「ふふふ、まだ終わりではない。ワタクシにはまだ、最強最後のポケモンがいる。行け!」
 ゲーチスは最後の一匹を繰り出した。そのポケモンに誰もが息を呑んだ。感情が見えない凶悪な顔つきに口の付いた両手に禍々しいばかりの青い色。動くもの全てを襲い食い尽くさんとばかりに、きょうぼうポケモンのサザンドラが咆哮を上げた。
 「負けない、行け!」
 ムツミは諦めない。ジャローダ達に一斉攻撃をさせた。
 「無駄だ!」
 ゲーチスの指示でサザンドラが動き出した。だいもんじでジャローダを焼き、とびげり、ラスターカノン、きりさくで迫るミルホッグとギギアル、レパルダスをきあいだまで吹き飛ばした。
 「頑張って、諦めちゃ駄目!」
 ダゲキがローキックで出たが片手で振り払われ、レシラムもりゅうのはどうで返り討ちにした。悶え苦しみ出すジャローダ達。ムツミ達は追い詰められた。
 「貴様達にとどめをさしてやる。行け、サザンドラ!」
 ゲーチスの指示でサザンドラは顔と両手の口から熱光弾を連射して放った。地にぶつかると同時に次々と爆音を放ち、ムツミ達を巻き込んだ。悲鳴や叫び声が響きボロボロになって地に膝を着く者も現れ、ムツミのポケモン達もピンチに陥った。
 「ううう、ちょっとまずいかな・・・」
 「容赦ないよ」
 アロエとアーティは弱音を吐きそうになる。だが、ムツミは決して諦めない。
 「負けない・・・負けないよ!誓ったんだから、皆の前でポケモンの未来を守ってみせるって!だからお願い・・・立ってーっ!」
 ボロボロの仲間達に今一度、力を貸してくれとムツミは叫んだ。その思いは仲間達に届く。ジャローダは立ち上がってすぐにサザンドラに巻きついて動きを封じ込んだ。
 「ジャローダ!」
 「何をしているサザンドラ、早くそいつを振りほどけ!」
 サザンドラは激しく暴れて振りほどこうとしたがジャローダの巻き付きは固かった。ジャローダが仲間達に合図を送る。
 (今だ、奴を倒すチャンスだ。俺がこいつの動きを止める。その隙に奴にとどめをさせ!)
 そのジャローダにレシラムが語りかけるように視線を送った。
 (これは危険だ。奴に攻撃するとなれば、お前も巻き込むことになるもちろん、軽い傷ではすまない。その覚悟は出来ているのか?)
 ジャローダは無言で伝える。
 (そんなもの、とっくに決めているさ)
 (その覚悟が聞きたかった)
 レシラムは攻撃の合図をするようムツミに無言で伝えた。だが、ムツミはためらっていた。サザンドラを倒すのは今しかない。しかしそれはジャローダを巻き添えにすることになる。彼は自分にとって大切な最初のパートナー。その時・・・。
 「ジャローダ・・?」
 ムツミにジャローダの言葉が聞こえたような気がした。
 (ムツミ、ためらうな。ここでチャンスを逃したら、ポケモンと人の未来は消えてなくなる。俺はお前に会って多くの大切なことを知った。お前の夢、大切な未来を守れるなら、動けなくなったとしても後悔はしない。急げ、時間がない、ムツミ!)
 ジャローダの思い、それはムツミにしっかり伝わった。もう、ためらわない。
 「皆・・・、これが最後の戦い。ポケモンと皆の未来を、壊させはしない!行けーっ!」
 ムツミの最後の指示に仲間達は一丸になった。レシラム、ギギアル、レパルダスが一斉にりゅうのはどう、ラスターカノン、シャドーボールを放ってサザンドラに大ダメージを与えた。急所を食らったサザンドラは断末の叫びを上げて苦しみ、その拍子にジャローダがサザンドラの体から滑り落ちた。そこへ更にミルホッグがひっさつまえばで攻撃、そして最後にダゲキが空高くジャンプして最強の大技インファイトをサザンドラに強く、激しく、すべての力を込めて叩きのめす。
 ダゲキのインファイトを前に遂にサザンドラは咆哮を上げてゆっくりと地面に落ちて、力のない声を上げて力尽きた。
 「や、やったの・・・?」
 ムツミは自分が勝ったのか信じられずにいた。アデク達が歓声の声を上げてムツミに駆け寄った。
 「ムツミ、よくやった。ポケモンの未来が守られたぞ!」
 アデクがムツミの肩を叩いて喜んだ。
 「ポケモンを最後まで信じた、あなたの勝利よ」
 「お姉ちゃんは絶対に勝つ、アイリスそう信じてたよ!」
 カミツレとアイリスがムツミに祝福の言葉を送った。
 (ポケモンを理解して完全な勝利を手にした。ムツミ、君は本当にすごいよ)
 チェレンも心の中でムツミを褒めた。
 「は、そうだ、ジャローダは・・!」
 ムツミは、ハッとなった。自分の身を犠牲にしてまでムツミに勝利をもたらしたジャローダ、彼はどうなったのか、ムツミは辺りを見渡した。そして、
 「あ・・・」
 ムツミが目にしたもの、それは・・・。

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