完結小説図書館
作者: カリン (総ページ数: 168ページ)
関連タグ:
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~
*159*
『 卒業まで、あと、あと、あと、あと、0日。 』
わたしは日替わりカレンダーをめくる。
あと、卒業まで、0日。
今日、六年生は卒業する。
うーん、感慨深い。
その時、首に衝撃。
「おい、移動すっぞ。」
どうやらタローが叩いたようです。
攻撃、開始!
「おわっ、やめろって!」
わたしがタローを突いてる間にみんなは体育館に移動してしまった。
「……どうすんの。」
わたしが走り出そうとすると、タローに止められる。
「どうせなら、思い切り遅刻しようぜ。」
「……でも。」
体育館にはいると、威風堂々が響いていた。
五年生のリコーダーだ。
わたし達はコソコソ入って席に着く。
「あら。 くる、卒業に遅刻なの? まぁーっ、六年不幸。」
隣の愛が造語を交えバカにしてくる。
「色々事情があったの!」
「ふん。もう校長が名前呼んでるもん。 静かにぃ!」
くそぉ……だが、メチャ暇。
五年生はやる事無いんだもん!
前のタローがモジモジしている。
「やべー、トイレ行きてえ……」
よし、視界から消そう。
抹消!
よし、消えた。
そう思いたい。
「どうすっかなぁ……」
……るせぇ。
そうして色々あり、七組まで来たようだ。
「どうする! 伊藤太郎、どうする! うわぁぁぁぁ!」
タローは限界に達しているようだ。
(バカだ……)
「 小林、みく。 」
わたしははっとした。
壇上に上がったみくが、ピースしたからだ。
やっちまったな……みくさん。
みんなザワザワしている。
すると一人の六年生が立つ。
そして叫ぶ。
どんどん他の生徒も……
「卒業だぜ!」
「嬉しいZ!」
「その気持ちを!」
「歌に込めて……!」
ピアノの伴奏がはじまり、六年生が歌い始めた。
『広い世界へ』だ。
曲が終わると、拍手がまばらにおきた。
六年生諸君はがーんとしている。
「せっかく考えたサプライズなのに……」
「五年生は冷めてんのね」
ーー
なんやかんやで卒業式は終わった。
そして合唱部全員でザワザワ話していた。
わたしとなみはみくと話している。
そしてみくが切り出す。
「終わった。」
「卒業式?」
「わたしの小学校生活。」
「……そっか。」
「……離れたく無い。」
なみとみくがグスンと鼻を鳴らす。
「離れたくないよぉ!」
「みっ、みくっ!」
「わたしもぉっ!」
「なみ……」
しまいには、二人とも泣き出し、わたしもないてしまった。
泣き終わった時、みくが言った。
「そ、そういえば。 探偵団のメンバー集めてよ。」
「「え。」」
そういえば、わたし達、探偵団だった……
「絶対だよ!」
「「ええーーー!?」」
END