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作者: カリン (総ページ数: 168ページ)
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*164*
(アリア、コウリンの謎。)
エヒン。
貴女はわたしから奪った。
全てを。
わたしはずっとそう思ってた。
けど……違ったね。
ゴメン。
エヒン……
***********
「 あ〜りあ? 」
木の上で本を読んでいたわたしの目の前に貴女の顔が広がった。
「うわっ!」
わたしはビックリして木から落ちる。
貴女は木の上から飛び降りて言った。
「あっ、ゴメンゴメン。 落とすつもりはなかったの」
わたし達は笑った。
幼き頃の良き思い出。
いつ変わってしまったの
わたしと貴女は身分も違うけど
いつ変わってしまったの?
わたしが変わってしまったの
貴女が変わってしまったの?
わたしとあれは出会った。
貴女と彼方の秘密に。
わたしと貴女の前に現れた彼方。
「そ、その子だれ?」
わたしの質問に貴女はこう答えたよね?
「わたしのお友達!」
お友達じゃなかったの?
ウソだったの?
「 違うだろ。 いいなずけっていうんだぞ」
そうなの?
エヒン、キリア?
*********
「君を守るのは僕だよ?」
いつもそう思ってた。
けど、違ったみたいだ。
僕は全てを失った。
僕はーーーー
「 お前は守るべき人を守れ。 絶対に見失うな。 」
兄さんに言われたあの言葉。
僕の守るべき人は……君だと思った。
違ったんだな。
守るべき人はすぐ近くにいたのに……僕は見失ったんだ。
僕は君に復讐をしようとした。
その報いだ。
***********
「止めよう……こんな事……! やっちゃダメ……コウリン!」
ハイヒールの美人が訴える。
ここは古ぼけた城。
そのホールで二人の若者が向かい合って居る。
青年が言った。
「 なんでだ? アリア 」
「彼方も……分からないんでしょ? ……じゃあやめて。 そんな事。」
「巫女が……言ったんだ。」
青年が頭を抱える。
全て巫女が指示した事。
そう思わなければならない。
彼奴は何を思っているんだ……?
巫女は……
青年が “ 巫女 ” に逢ったのは一月前。