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無表情な美人転入生と僕の話
作者： aya ◆jn0pAfc8mM　　（総ページ数： 23ページ）
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10～ 20～

＊13＊


6.5話　昔の親友と私の話

鍵を閉める。

ただいまを言う必要は、随分前からなかった。

それに、私の保護者なんて人は、私と関係なんてない。

……まあ、いいや。

私は買って来た水着を放り投げる。

そして、机から冊子を取った。

ベッドに寝転がり、それを広げる。

悪魔の巣窟を襲撃する、か。

先生に頼まれてしまったのは仕方ない。

いや、そんな事で迷ってる訳がないか。

私は、私が私になる事を拒んで、

そして……

震えが止まらなくなった。

でも。

……やっぱり、亮二と一緒にいたいな、なんて思う。

我侭だった。

好きと言う感情が分からないのに、一緒にいたいなんて傲慢な。

それでもいい。

せめて私の正体が分かる前までは、ずっと一緒にいたかった。

「ああもう、ダメだ！　勉強するぞ！」

私はやっとの事で、そう言う。

正治、すまないな。

あの時の事、忘れようとしてしまって。

許してくれるか？

「おねがいだから、いいよって言ってくれよ、正治……！」

震える手は、無意識に携帯を掴む。

もう押し慣れた番号を押し、発信ボタンに触れる。

でも、そのボタンを押す事は出来なかった。

「ごめん、正治……」

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