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[特別編 第3話]★秘密共有組★
宇月「あかん、美祢の奴スマホの電源切っとるわ(携帯をポケットにしまう)」
こいと「困りましたね。これじゃ連絡が取れないです。脱出ゲームってアナウンスの音声は言ってたけど、全然問題出す気配ないし」
宇月「『ちょっと待って』って言うて、そのまんまやねんな。アイツの話からすると、美祢たちも閉じ込められとるようやから、そっちの相手しとるんかもしれんな」
こいと「あ、こうも言ってましたよ!『マガっちやばいから対処してくるわ』って」
宇月「そんな軽い感じで言われても困るんよこっちは」
こいと「ですよねえ(宙にふわふわ浮きながら)」
~しーん~
宇月「あ、あの、ごめんな。秘密のこと、美祢に話してしもて(静寂に居たたまれなくなり)」
こいと「え? ああ、全然。いつか暴かれるだろうなとは思ってましたから。平気です。それに、お二人は仲直りできたんでしょ? なら大丈夫ですよ」
宇月「でも、その。せっかく頼ってくれたんやし。その」
こいと「……大丈夫ですって(宇月を後ろから抱きしめる)」
宇月「――ふぁっ!? ちょ、桃根ちゃん……離っ」
こいと「この恋愛マスターこいとちゃんを言い負かそうなんて、良い性格してますねえ宇月サン」
宇月「~~~っ、君はほんまに、ほんまにっ」
こいと「ほんまに、なんですか?(二ヤリ)」
宇月「は、離せ!!(ググッと力を込めて、こいとを自分の体から引きはがす)」
こいと「あらら。もーなんですか、柄にもなく照れちゃって」
宇月「う、う、うっさいわ! あ、あんたはユイくん一筋なんやろ。ぼ、ボクの反応なんかいらん方がええんとちゃう?(白衣についた埃をはらって)」
こいと「もちろんわたしは由比推しですよ! 宇月サンはアレです、オカズです」
宇月「オカズて。多大な誤解を生みそうな発言やめぇや」
こいと「あなたの反応をオカズにして、こいとは日々生き生きと霊生を送ってますよ!」
宇月「あかーんこの子素直すぎるわ――――っ!」
アナウンス「ふぅー、ふぅー。お、お待たせしましたああ(ゼエハア)。遅れてすみません!」
こいと「あ、謎の声さん。さっきぶりです~。なんでそんなに息切れしてるんですか?」
アナウンス「ま、マガっちが、その、術をね、ぶっ飛ばそうとしてまして。あと数秒遅れれば、扉が木端微塵になるところでした……」
宇月「マガっち? ってあんた、ラスボスも部屋に閉じ込めとるんか!?」
アナウンス「由比・猿田彦と一緒に閉じ込めました★ 使えるものは何だって使う、それが俺だ」
こいと「由比と!? ちょ、ちょっとなにしてくれてるんですかっ、やめてくださいよ!」
宇月「あーあー、あー、もうどうなっても知らんで……。猿田彦サン、頑張って……(同情)」
アナウンス「ということでお待たせしました、お題発表に移らせていただきます!」
こいと「何が来るのかな」
アナウンス「では発表します、ばばんっ」
[お題其の1。壁ドンしないと出られない部屋]
宇月「―――は? か、壁ドン?」
アナウンス「はい。そこの壁でお願いします。男の子が女の子を壁ドンしてください。制限時間は無いですので、心の準備が出来たらしてもらう形で」
宇月「いや、ちょ、ちょい待って?」
アナウンス「なんですか? 情報は全部伝えましたよ。悪いですが私、このあと双子たちに同じ説明をしなければいけないので失礼させてもらI」
宇月「あ、あんた鬼なん??(壁に取り付けられている魚眼レンズに近づいて、小声)」
アナウンス「は?」
宇月「やから、鬼なんかって。ボク、恋愛経験ないで? ほんまに言うてるならこのレンズ殴るで?」
アナウンス「やだなあ。これは序の口ですよ。直接接触しないだけマシじゃないですか。美祢はコマリちゃんと恋人つなぎしてましたからね(小声)」
宇月「こ、恋人つなぎって……、え、美祢はマジでやったん?」
アナウンス「ええ。この目でしっかり確認しましたよ。貴方のいとこは、ちゃーんと真面目に女の子とお手手つなぎましたよ(語尾を強めて)」
宇月「あ、あいつマジか!?」
アナウンス「何なら見ます? 私のスクショ」
宇月「――ほんまアンタ……、じゅ、、術使ってやるのはアリなん?」
アナウンス「何言ってんですか。ナシ寄りのナシですよ。人の心惑わせるなんて最低だよ」
宇月「あ――――っ、ほんまに作者って良いご身分やなぁぁ!!」
~と、後ろからこいとが駆け寄ってくる~
こいと「どうしたんですか宇月サン。独り言、気持ち悪いですっ(ニコッ)」
宇月「この子の素直さは時に心をえぐるんやけど」
こいと「もうお互い隠し事もないですし、素で行きますよ」
宇月「……やっぱ女の子ってようわからん。はぁ――――――っ(盛大な溜息)」
宇月「(いや待て落ち着けボク。これはあれや、恋愛ゲームやと思えばいいんや。そうや、今までさんざん女の子を落として来たやろ。ゲームでやけど。やからその時と同じような感じで適当になんだかんだやればええんやっ、落ち着け!)」
~考えに反して、宇月の鼓動は速まる~
こいと「宇月サン? どうしたんですか俯いて。 頭でも痛いんですか?」
宇月「………」
こいと「あ、わかった。壁ドンとか言われて焦ってるんでしょ~。もー、本当にこういうのよわいですよねえ」
宇月「……好き放題言うなあ、君も」
こいと「だってそうでしょ? 貴方は本当は臆病で弱虫っ……ひゃっ」
~こいと、宇月に肩を掴まれ、そして~
宇月「(ドンッと壁にこいとを押し付ける)」
こいと「あ、あの、ちょっと。え? あ、あの///」
宇月「よくもまあ、ペラペラペラペラと(こいとの顔の横に手をついて)」
こいと「あ、あの、宇月サン、ちょっ」
宇月「………これでもまだ弱虫だって思うん?」
こいと「ひゃっ、あ、あの、ちょっ」
~ピンポーン~
アナウンス「はーい、お題クリアでーす! お疲れさまでした――――っ」
宇月「ふーっ。よっしクリアぁ(壁から離れて伸びをする)」
こいと「え、は? え、どういう」
宇月「本気なわけないやろ、バーカ(ニィッと口角をあげる)」
こいと「なッ。な、な、あ、あなたまさか、このこいとちゃんをはめてっ」
宇月「ハーイ引っかかった引っかかった! 素で行けって言われたからな。満足した?」
こいと「~~~~~っ、も、もう知りません! 宇月サンのあんぽんたんっ(声にならない叫び)」
アナウンス「ホントにアレは素だったのか?」
宇月「素に決まっとるやん。本気であんなことできるはずないやん。さ、桃根ちゃん次の部屋行くで。わはははは、顔メッチャ真っ赤やん。かわいいーw(逃げるようにその場を後にする)」
アナウンス「宇月さん、隠そうとしてもバレバレですよ。あーもう、あの人自分の素がなにかも分かっていないのね。めんどくさいねえ。ま、作者なんですけど」
※次回に続く! 次は飛鳥&飛燕のペアです!お楽しみに~!!