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ナイトメア・サバイバル
作者: Kuruha ◆qDCEemq7BQ  (総ページ数: 34ページ)
関連タグ:  学園 殺人 
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10~ 20~ 30~

*4*

Episode3 『悪夢 -NightmarE-』
 9月12日(水)08:52/我妻 叶葉


 此処について、話をしよう。

 さっき、ここは≪夢の世界≫だと“ゲームマスター”は言っていた。現実じゃなく。


 ……私はちゃんと夢から醒めたというのに?


 私は昨日の夜、確かにあの不気味な声を聞く夢をみた。教室が舞台で、スピーカーからではなく、直接頭に響いてくるようだった。

 そのあと、私は意識を失い、夢から目を覚ました。――この世界で。

 ここも、夢なのに。随分と手の込んでいる。……そうなると、本当の現実の私は未だ眠っているということだろうか。

 私は手にした日本刀についた血をはらいながら、そう思った。



 学校という空間が戦場になるのに、さほどの時間は必要じゃなかった。

 一つの引き金。初めて誰かが誰かを殺したときから、“殺し合い”は始まった。

 とはいえ、まだ全員が全員殺しあっているわけではない。今はごく限られた一部だけ、――叶えたいことがある者、それの犠牲になった者たちだけが、武器を手にしている。



 私には叶えたい願いがあった。もしここで殺して殺して、その一人に選ばれれば、その願いは叶うっていうのなら、人殺しも辞さない。

 そう決意を固めたとき、背後で何かが落ちる音が聞こえた。振り返ると、そこには弓形に反った日本古来の刀が落ちていた。

 これを使って殺せと、神はいうのか。口元が思わず緩んでしまう。

 これはなにかの悪い夢? いいえ――




  とんだチャンスじゃないの。

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