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鳳凰学園協奏曲-カルテット-【完結!】
作者: 鳩麦白夜  (総ページ数: 101ページ)
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「…行くよっ!!」


ヒュンッと、素早い動きでクリスは木刀を用い、花の喉笛を狙う。
空悟は確実に命を削る喉笛を狙えとクリスに助言していた。
勿論、殺す気はさらさらないが。


「残念、クリスちゃん!武器を持ってるのはあなただけじゃないんだよね!!」
「…!」


花の武器、チャクラムによってクリスの木刀は受け止められていた。


「あの武器変わってるな〜」
「あれはチャクラムよ。インドで有名な武器。…それぐらいもわからないなんてバカね」
「相変わらずだなお前も…」


ツン、と横を向くまどかに鬼柳は苦笑した。


「これからだよ〜っ!!頑張れクリス!」
「…少しマズイなあ」
「どうしてですか?」


顎に手を滑り込ませる博に安蘭は首を傾げる。


「花先輩はドラゴンっていう本来の力を出しきれる状態に加えて武器も持ってるのに対してクリスちゃんは…」
「人間だし、武器は素人に毛が生えた程度…!」
「そう。この勝負はクリスちゃんにとっては分が悪すぎる…!」


二人は心配そうにクリスを見つめた。


「でも、まだまだ!負けるかもしれないけど、まだ戦える!!」
「その意気だよ!クリスちゃん!」


ニイ、とお互いは微笑むと、次の瞬間、花は姿を消した。


「花の奴…決着をつける気だな…」


海馬は少し肩を竦めながら呟いた。

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