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作者: 鳩麦白夜 (総ページ数: 101ページ)
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*94*
「はああああああああああああッ!!」
空悟、菜々緒、元徳は見えない動きで、自らの武器を鬼柳と菜々緒に打ち付けた。
「…すごい…ッ!」
「さすが先生たちだね…!」
安蘭と茨は魅入った様子で3人を見ていた。
攻撃をもろにくらってしまった鬼柳とまどかは成す術もなくばたりと倒れこむ。
そして、しばらくして、ゆっくりと立ち上がった。
「…あれ、俺等…?」
「確か、レリク君と会話してから…あれ?」
「2人は洗脳されてたんだよ!」
記憶を手繰ろうとしている2人に博は付け加えるように言った。
「まあ、教師としてのけじめはつけられたな!」
「ふぉっふぉっふぉ。無事だったようでよかったよ」
空悟と元徳は安心したように微笑んだ。
「お、お前ら…ぶ、無事で…」
「無事でよかったね、二人とも!」
「茨!てめー横入りすんな!」
もじもじしながら何か言いたげにしていた憲章を押し切るように言った茨の頭を憲章ははたいた。
「……早く、理事長室にいかなくては。あっちは今頃何が…」
「…そうですね〜…。理事長のことです。海馬君たちがどんなことになっているか…」
氷栗無と菜々緒の言葉にみんなは我を取り戻したかのようにハッと顔つきが険しくなった。
「…行こうぜみんな!…オレ達じゃ確かに場違いかもしれない。けど、も届けなくちゃ…!」
鬼柳の言葉にみんなはうなづくと、理事長室に向かって走り出した。
+++
「……潰せ…ッ!今だよ、海馬君!」
「命令するな!…食らうがいい!!」
修羅は阿修羅の腕を源次郎に畳み掛ける。
そして、その上を海馬は飛び越え、水の槍を源次郎に突き刺そうとした。
「甘いッ!」
その動きを読み切っていたかのように源次郎は修羅をつかむと海馬のほうへブンなげた。
「うわッ!」
「ぐ…ッ!」
「…だったら動けなくするまでだ!…クリス、今だよ!」
「はあああああああああああッ!!!」
レリクはバチチチ…と、高圧電流で源次郎を麻痺させた。
そして、突進するようにクリスは源次郎に炎の刀を差しこむ。
「ぐ…が…ッ!リリア……」
「黙れ!クリスはリリアじゃない!!」
クリスに手を伸ばす源次郎の腕をレリクは雷の剣で切取った。
「あああああああああああああああああッ!!!」
「!?源次郎の奴、おかしいぞ…!?」
「何が…!?」
急に狂ったように咆哮する源次郎に海馬と修羅は眉をひそめる。
「私は…ッ!リリアと…ずっと…ッ!」
源次郎の懐からじゃらじゃらと、千年秘宝らしきものが5個、落ちてくる。
そして、秘宝は拒絶するかのように、源次郎の体からは血しぶきがあふれ出る。
「な、なぜだあああああああああああッ!!秘宝は…!リリアは…!私を拒んだというのかあああああああああああッ!!??」
「……リリアはもう終わらせようとしているんだ!!過去にとらわれるお前を解放するために!」
ガタンと崩れ落ちる源次郎にアギトはきっぱり言い放った。
「やれ!海馬!レリク!…・・・・クリス!!」
「わかっている!……はああああああああッ!」
「ああああああああああああああああッ!」
「源次郎!!」
アギトの言葉とともに海馬、レリク、クリスは源次郎に突き進む。
クリスの言葉に源次郎は目を見開いた。
――――――………もう、終わらせましょう……。―――――
確かに、クリスはそうつぶやいていた。
だが、その目はどこかクリスと違っていた。
「……リリア………ッ!」
源次郎は嬉しそうに、だが、どこか悲しそうに笑った。
そして、3人の炎、雷、水の刀が源次郎を貫いた。