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作者: 鳩麦白夜 (総ページ数: 101ページ)
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「クリスちゃん!海馬君!レリク君!」
「大丈夫か!?」
バタン!と、理事長室に真っ先に飛び込んだのは博と鬼柳だった。
「あ…花、修羅…」
「しー。今、大事な話なの」
「少し静かにしていてくれ」
憲章が花と修羅に呼び掛けると、静かにするように促した。
「…決着はついたようだね」
「私たちが出る幕はなかったということか」
「どうして静かにするようにする必要が?」
氷栗無は冷静に答えをだし、空悟と元徳は不思議そうに目を丸くした。
「いやですね〜。理事長がなにか話すに決まってるじゃないですかぁ〜」
「どんな話だろう…!?」
「興味深い話だといいね…」
菜々緒の答えに安蘭と茨はドキドキした様子で理事長室内部を見た。
「…あそこ、クリス!?けど様子が…」
まどかは驚いたように指差した。
そこには血まみれになりながらなんとか生き長らえている源次郎と静かに座っているクリス、海馬、レリク、アギト。
みんな来たことを確かめたあと、源次郎は口を開いた。
「…私は…どうしてもリリアに会いたかった…。けど、それも無駄だった…。英雄アイシスの言った通りだった…」
「アイシス…?」
クリスは謎の名前に首をかしげる。
レリクは付け加えるように説明をした。
「英雄アイシス。今は海馬が持っているかつての千年槍の持ち主で剣奴王と言われた人さ」
「なぜアイシスが関係ある?」
海馬の言葉に源次郎は皮肉そうに笑った。
「エジプトで内乱を起こしたとき…。お前なんかにリリアも国も支配できねーよ!ボケ!って面を向けて言われてしまってね…」
そう言うと、源次郎はアギトの方へ体を向けた。
「今回も…あなた様の勝ちです…。アギト王よ…」
「…お前たちとは身分の差がなければよき友になれたのか…」
「そうかもしれませんね…。あと、最後に…」
どこか悲しそうなアギトの言葉に源次郎は微笑むと、クリスの頬へ手を滑らせた。
「…リリア…。…いや、クリス。…強く…今度こそ…生きてくれ…」
「理事長先生…」
その手をつかむと源次郎は満足そうに笑うとサアッと灰になって消えていった。