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*31*
「……急いでください…!みなさん、王宮の最上階へ…!」
「慌てるなよ〜!大丈夫だからな〜!」
混乱と嘆きの民衆の悲鳴が避難場所へと案内するリュナとリュウの耳を貫く。
すると、行き成りギルバートが上空を見上げ、指をさした。
「…おい、あれって…!」
「何あの紫の炎…気持ち悪い…」
「あそこら辺って、ユールたちが行った場所じゃないか!?」
手をかざし、リュウは目を細める。
ギルバートは不安そうに拳を握った。
「…みんな、大丈夫だろうか」
「きっと…大丈夫…」
リュナはポン、とギルバートの肩に触れる。
そんな彼女を見て、リュウもにかっと笑った。
「だーいじょぶだって!みんな強いんだからよ!きっと元気に帰って来るさ!」
「…そうだな!」
リュウの言葉を聞き入れたギルバートは民衆を非難させるために走った。
***
「な、なんだい!?この炎は!?」
「…それよりあれ見ろよ」
「…あれってウェザーズたちが言ってた…!」
4人は立ち止まった。なぜなら、先程の炎が大きくなった瞬間前方から以前ウェザーズとイリアが戦った死者兵がこっちへ向かってくるからだった。
このことがわかっていたかのようなユウラの視線の見て、ホルスとユールは少し下がった。
「…くッ!こんなところで立ち止まっている暇はないというのに!」
カヤルは勇敢に双剣で死者兵を切り殺す。真っ二つとなり、倒れていくが、それでもなお立ち上がっている。
「この死者兵はウェザーズ達が戦ったときよりも強くなったいるようだね!」
「もうっ!早くこの気持ち悪い炎を止めないといけないのに!」
ホルスとユールも武器を取り出し、死者兵をなぎ倒していく。
「……別に俺は生きたいわけでもねーが、こんな気持ち悪い死に方はゴメンなんでね!!」
さっきまでの眠たげだったユウラの目が鋭いものとなり、死者兵をどんどん潰していく。
「やればできるじゃないか!」
「今回だけだ」
感心するようにカヤルはユウラをほめるが、彼はそっぽを向いたまま死者兵をつぶしていく。
「じゃあここは踏ん張ろう!きっとみんなも頑張ってるはずだから!」
「もちろんさ!僕たち、七神官の力を見せてやろう!」
元気よくホルスとユールは走り出す。
それから、七神官はすさまじい気迫と戦闘力で死者兵を薙ぎ払っていった。