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*32*
「リリアっ!!」
「しっかりしろ!!」
アイシス一行はリリアの元へ辿り着いた。真っ先にアイシスとアギトはぶら下がるように拘束されている彼女のところへ駆け寄った。
「お師匠様…。何かおかしいです…」
「感じたかイリア。…さっきなんかとは比べ物にならないぐらいの魔力が分散されている…!」
イリアとウェザーズはなにかを感じ取ったように上を見上げた。
「…お妃様」
欠けた首飾りをカイザーは握り締め、リリアを見つめた。
どうしてこれを持っているのか。これだけを聞きたかった。
「みんな…逃げ…て…」
「?どうしたんだ?リリア?」
「はや…く…」
カイザーの言葉を遮るように弱々しくリリアは出口を指差す。
次の瞬間、鋭い音がリリアを貫いた。
「…リリア?」
「…おい!リリア―――――っ!!」
混乱するアイシスとアギト。何か発見したようにイリアはリリアの後ろを指差す。
それは邪神と言えるべき禍々しいものだった。それはまさしく…。
「やはり死んでいなかったのだな…!窃盗王!!」
「さっきの魔力はあなただったんですね」
ウェザーズとイリアは魔法で禍々しいものに攻撃するが、それは霧になるように分散していった。
そして、聞こえてくる言葉。
――お前らの大好きなお妃様の最後を見るがいい――
「…リリア!!」
家族を呼ぶような慈愛に満ちた声でリリアに駆け寄るカイザーがいた。
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