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「あれ!? この部屋、色が戻ってる!!」
「本当だ!! これで開かなかった部屋の鍵が開くね!」
私達二人はギャリーと別れてから、たくさんの部屋があるフロアを冒険してきた。
その途中で色が無い部屋があり、次の部屋のドアを開ける鍵が取れなかったので、どうやって取るか考えていた。
「でも、さっき見た時は色が無かったよね? どうしていきなり色が戻ったのかな?」
「うーん……。でも、ちゃんと鍵取れたからいいんじゃない?」
……まぁ、メアリーの言う事ももっともだ。ここは不思議な美術館。何があるか分からない。だから、色が無かった部屋に急に色が戻っても不思議ではない。
「イヴ? 鍵取ったよ。開かなかったドアの所に行こう?」
どうやら、ずっと考えていたらしい。メアリーが私の顔を除きこんでくる。
「あ、うん、行こう!」
私は慌てて顔を上げてメアリーを追った。
「せーの……どーん!!」
メアリーが勢いよくドアを開けた。
「ちょっと、メアリー! まだ開けたことないドアをそんなに勢いよく開けたら危ないよ!」
「え〜? 大丈夫だよ! ほら、階段だったし」
「でも、急に何かが襲ってくるかも知れないし……危ないものは危ないよ!」
「ん〜……。次から気を付ける〜」
メアリーと出会ってから少ししか一緒にいないのに、何だか姉妹になったようだ。
私は一人っ子なので妹がいたらこんな感じなのかな……と、思った。
「イヴ、早く〜」
「あ、うん!」
私は慌ててメアリーを追った。
階段を降りるとそこは、私達が冒険したフロアと同じように部屋がたくさんあった。
「うーん……。どこから見ようか……ん?」
「メアリー、どうかした?」
「何か聞こえた!! こっち!!」
「ちょっと待って!」
走り出したメアリーについていくと、私にも何か聞こえてきた。
『…………で…………の?』
『あら…………なの?』
『いいじゃない!! …………くれたって!』
『絶対秘密にするから……』
音がする部屋に近づくほどに、はっきりと聞こえてきた。どうやら誰かの話し声のようだった。
ドアの前に立つと、中の声がよりはっきりと聞こえる。
「どうする? 入る?」
「……うん、行こう、メアリー」
「……分かった」
私とメアリーは意を決して中に入った。
そこにあったのは――
私が一番見たくないものだった。