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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*104*
「行くぞ、ウラヌスよ」
俺は試合開始早々奴をローキックで攻め立てる。
だが、それを奴は脛でカットし、ローリングソパットを放ってきた。
俺は素早くそれを掴み、アンクルホールドを仕掛ける。
「さて、このまま足をヘシ折らせてもらおう」
「ハハッ、俺は仮にも銀河太陽系8神。そう簡単に足が折れると思っているのか!」
奴は力任せにアンクルホールドを外し、素早く立ち上がると、タックルを炸裂させた。
「グムッ」
なかなかのスピードと威力を誇るそれを食らった俺は、ロープへ飛ばされ、反動で跳ね返ってきたところを、俺の得意技であるベシュラムバックブリーカーで痛めつけられる。
「何が『死神』ジャドウ=グレイだ。名前が聞いてあきれる」
「試合開始わすかで敵の実力を測ろうとするとは、嘆かわしいな」
俺は奴を反転させ、腕ひしぎ十字固めに捕える。
ミシミシとウラヌスの関節が悲鳴をあげるが、奴は表情を崩さない。
「こんな技、こうしてくれる」
奴の取った行動に、俺は少なからず驚きを覚えた。
奴はあろうことか、この俺をそのままの体勢のままで持ち上げ、放り投げたのだ。
今まで俺が闘ってきた怪力のレスラーというのは、大抵190越えのレスラーがほとんど。
183センチというレスラーにしては小柄な体格で、198センチの俺を持ち上げるとは…
なるほど、銀河太陽系8神の文字は、どうやら伊達ではないようだ。
カイザーの元同志であったというのも、この実力ならば頷ける。
俺はマットに激突する寸前に、倒立し、激突を防ぐと両足で奴の頭を挟み込み、そのまま足の力だけで放り投げた。
この技は超難易度技で人間で使いこなすことができる奴は、俺の知る限りひとりしかいない。
人間離れした相手を持ち上げる足の力が重要になるのだが、それを養うのには宇宙人の俺でさえ3年かかった。
俺の自慢技のひとつであったが、奴は受け身をとり、ダメージを軽減させると、俺にカンガルーキックをお見舞いする。
俺は足を掴み、ジャイアントスィングで投げた。
だが、奴は身を翻し、コーナーポストへの激突を防ぐ。
「フフフフフフ……なかなかやるではないか、ウラヌスよ」
「あんたもな。だが、俺たちのレベルからしたら、まだまだ未熟だ」
「フフフ……言ってくれるな。それではそろそろ本気を出すとするか」