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ヘッドフォンアクター
作者: 弥生  (総ページ数: 22ページ)
関連タグ: カゲロウプロジェクト 
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10~ 20~

*5*



05「言の葉の裏表事情」




要点を整理しよう。
まずはこの世界は俺がいた世界ではない。キドやカノ、セトがいう、【カゲロウデイズ】と呼ばれる世界のノイズ環礁によってこの世界、【ヘッドフォンアクター】が作られた。


ここまではわかった。ここは異世界だと…
信じられるわけないが…これが現実だ。



そして、1つの疑問が浮かび上がる。
なぜ、俺はここにいるのか…だ。


とりあえず聞いてみたが、キドはわからん。セトは真剣にかんがえるがわからん。そしてカノは悩むどころか「運が悪かったね」で納めやがった。



くそぉう…



「にしても、これ、作ったの?」


俺たち5人は朝飯を食べていた。
昨日は散々話を聞かされて耳にタコができるかと思うくらいに。

キドは味噌汁をズズッと飲み、「そうだが」と答えた。



「…………!、うめぇな」

「流石、キドだねぇ」

「あんまり、からかぅな…」

「いやいや、本心だよ!?、ほんとに顔に似合わずかてぇいぃぃい!!!てぇぇ!」

キドのフックがカノの横腹に直撃した。



朝飯を終え、俺はソファに倒れる。


「あぁ、生き返る…」

『死んでたんですか…?ご主人』

「あぁ、死んで…………んん?!」


シンタローの携帯に青髪の少女がいた。
除き混むと何らかのAIだろうか?
いや、こんなのありえない。



『やだなぁ、ご主人、あ!そっか、こっちでは初めてでしたね、ご主人、初めまして、私、エネと言います』

「エネって…………あれ、黒いほうは…」

「誰が黒い方だぁ…」

貴音がこちらを睨む。
うぐっ!目付き悪!ってやっぱいるよな。
どうなってんだ!?エネが二人。


「あぁ、それは違うエネだ、ついてきたんでな」

『てわけで、ご主人、そして私!よろしくお願いします!』

「あぁ!!もう、どうなってんのよぉ…!」


こいつも大変だ。自滅してる(笑)




「シンタロー、タカネ、エネ、俺たちは少し出かける」

「外出は控えてねぇ…危ないから…ププッ…」



そういってキド達は外へ吸い込まれるように出ていった。


さて、俺は…寝るか。


「私、行くね」

突然、貴音が立ち上がり、ドアへ向かって行く。


「おい、外出は控えろって言ってたぞ」

「うん、でも、行かなきゃ…あいつを探しに」

『コノハさん、ですね?』

「えっ、遥を知ってるの?」

『そりゃ、私ですから…まぁ遥、さんでいいか…遥を見つけるのは至難だと思いますよ』


コノハ…遥ってやつはともかく、コノハ…か
またこの名前だ…これで、全員揃うのか。


「居場所は?」


俺の口はすでに開いてた。
そっと笑うようにケータイが震える。


「わかんない…けど、多分、学校だと思う」

「よし、行くか…!」

『ご主人、かっくいぃ!』

「その、ご主人ってのやめてくんない?恥ずかしい」

『嫌です…!ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人」』


「ァァァァアアアア!!!」



やっぱ、自滅してる(笑)


そう、この旅は…ストーリーは…………

終わりを知らなすぎた。

そして、現実を…受け入れる器など無いわけで…
あの子はこう言った。


【目に焼きつける】…………と


日々、少しづつ時計の針が動いていくのが見えた。






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