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作者: lulu (総ページ数: 38ページ)
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第五話 鯛焼き
「みなさぁん、今日のおやつは鯛焼きですよぉ」
国咲学園高校生徒会のおやつ係 杏奈ちゃんが皆に今日のおやつを持ってきた。
「あ、杏奈ちゃんこの鯛焼きって『三日月堂』のやつでしょ?」
僕は、袋の中から鯛焼きを取り出しながら言った。
「そうですよぉ、皆さん小倉あんこですからねぇ」
「ありがとう。佐々木。はい、会長」
「あぁ、須川君すまない」
そして皆で、静かに鯛焼きを食べ始めた。
その時…
「おい、滝川。なんで尻尾から食べてんだよ」
「え…?」
「ほら、鯛焼き。尻尾から」
「え?普通尻尾じゃないですか?須川先輩」
「馬鹿か、お前。ふつー顔からだろ」
須川先輩は、何してんだこいつ、みたいな目で僕を見据えてくる。
「か、会長はどっちからですか?」
僕は、会長に聞いてみた。
「んん…、私は顔からかな」
「ですよねっ!」
須川先輩は、当たり前だという顔をしている。
「私は尻尾ですよぉ」
杏奈ちゃんも話に入ってくる。
「だよねっ!杏奈ちゃん」
「はい、顔からなんて邪道ですよねっ」
杏奈ちゃんも珍しく強気で言う。
「ふ、いいじゃないか。ここは生徒会らしく…」
眼鏡(ないけど)をくいっと上げて…
「議論しよう」
と須河先輩は言った。
〜議論開始〜
「えー、今から『鯛焼きはどっちから食べるか』について議論を始めま す。司会をする朝倉です、よろしく」
といい、軽くお辞儀した。
「ではまず、尻尾から派から」
「はい」
杏奈ちゃんが、椅子から立ち上がった。
「何故尻尾から食べるかについて話します!」
そして顔から派の人の目の前に、指を突き出し
「尻尾から食べたら、カリカリで美味しいでしょうっっ!」
真剣な目で言う。
「同感」
僕も手をパチパチ叩きながら同感した。
「そうだが、ただし…」
須川先輩も負けずに
「顔から食べたら最初からあんこ入ってるだろーが!!」
「同感だ」
会長が頷きながら言う。
「うぅ、そうですけど、あんこがいっぱい入ってるのを最後に残しとく
方がいいじゃないですか!」
「佐々木君は好きなもの最後に残す派なんだね」
会長は一人納得した。
「あ、そうだ。皆さんここは、五話で一回も話してない奈美さんに決着
をつけて貰いましょうよ」
僕はもうこの勝負に飽きてたので、この方がいいと思い提案した。
「…そうだな。滝川君そうしよう」
「そうしましょう、滝川君」
「たまには良いこと言うじゃねーか、滝川!」
「あ、あはは…」
そして、奈美さんに聞いていた。
「奈美さんはどっち派ですか?」
「頭だよな?」
「尻尾ですよね?」
皆口々に聞く。
その答えは…
「わたし、はんぶん、わるよ?」
だめだ、こりゃ。