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せいコメ!!《新年すたーと!》
作者: lulu  (総ページ数: 38ページ)
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10~ 20~ 30~

*16*

第七話 しごと?



「と、とれびあん」

と、奈美さんが発言してから五分くらい経過した。

なのに、まだ須川先輩は声を殺して笑っている。

「す、須川先輩。何で笑ってるんですか?」

僕は、思い切って聞いてみた。

須川先輩のせいでさっきからしりとりは中断されている。

だんだん会長もいらいらしてきたころだった。

「だ、だって、トレビアンだぞ!?『ん』が付いたんだぞ!?それに、何でトレビアンなんだよっ、トイレとかもっとあるじゃん!」

涙を浮かべながら、言う。

「まぁ、そうですけど、いいじゃないですか、そこは。」

当の本人、奈美さんは日本語長文で読み取れていないみたいだ。

だが、なんとなく空気は理解しているみたいで、ほっぺが膨らんでいた。

「けんと、うるさい、」

奈美さんがついに言葉を発す。

「ごめんごめん、さっ、再開しようじゃないか」

奈美さんをひそかに恐れている須川先輩は、急いで原題に戻した。

「じゃあ、俺から、しりとり」

「じゃぁ、りすですぅ」

「するめで」

「うむ、では、めんこ」

「こい、いい?」

「いし」

「しごと。さぁ、皆さん残りの仕事しますよぉ」

杏奈ちゃんが上手くつなげて、皆を本題に戻す。

「う゛…、あ、杏奈君、いいじゃないか、暇だし」

「だめですよぉ、会長。文化祭、頑張らないといけないんですよ」

「そうだな、佐々木。よし、皆やろう!」

須川先輩の掛け声で、皆またひとりひとりの仕事に戻った。

―――――――――――――・―――――――――――――

それから、何分たっただろうか。

遅くなるって、妹の萌花とお母さんにメールして、会計のラストスパートをかけていた時、

気づいた。

「会長…、これっ…」


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