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作者: lulu (総ページ数: 38ページ)
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第八話 しごと?
「会長…、これっ…」
「ん?なんだい?滝川君」
会長が椅子をくるっと回して振り向いた。
「なんだいじゃありませんよっ。ここ!」
「なんだい?」
会長が、僕の指差した所をみる。
だんだん、会長の顔が険しくなってきた。
「さ、さぁ、なにかなこれは…」
目がキョロキョロ動き出した。
「どうしたんだよ、滝川」
須川先輩も話に入ってくる。
「あ、須川先輩。ここ、見てくださいよ」
「あ?」
僕が指差しているもの、それは会長が作った文化祭の費用の表の下書きだ。
上から順に計算していって、最後から三番目の欄に修正テープで消した跡があったから、光に透かして見てみた。
そこに書いてあったのは、会長の字で、
『あんぱん代』
と書いてあった。
「会長、あんぱん代を学校に出してもらおうとしてたんですか…」
「あ、いや、須川君、違うんだこれは…」
「ま、別にいいですけど」
といい、須川先輩は自分の仕事へ戻った。
「会長!なんで学校にあんぱん代出して貰おうとしてんですかっ!?」
「え、いや…」
「はい!分かりますけど!会長があんぱん好きなのは!でも、何で修正テープで上から消してから、『生徒会模擬店』ってかくんですか!しかも、その費用千円ですし!普通に考えて千円で模擬店できないでしょう!どうせ嘘つくならもっとマシな嘘にしてくださいよ!」
言う事をすべて言った。
須川先輩は、開いた口が塞がらない状態。
杏奈ちゃんはいつもどうり。
奈美さんは、ほわほわ。
会長は、僕にびびっているのか半泣き状態だ。
それに気づいた僕は、謝った。
「す、すみませんかいちょっ「いいじゃん、別にっ!!」
「「へ??」」
会長以外の全員が、不思議な声を出した。
「だ、だって、食べたかったんだもん…、いいでしょ!?」
会長が、半泣きでいう。
「う、うぅ、食べたかったんだもん…」
しまいには、体育座りをしてうつむいてしまった。
「もう、しょうがないな…」
僕は、腰に手を当てていった。
「ふぇ?」
会長が顔を上げて僕を見る。
「今度、買ってあげますよ、あんぱん五個」
「え…?いいの…?」
「はい、また泣かれたら嫌ですし」
「やったぁ!ありがとう!滝川君!」
と言い、会長は僕に抱きついてきた。
「う、うわっ!かいちょ…っ」
それを、杏奈ちゃんが悲しそうに見ていた。