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作者: 桜 (総ページ数: 28ページ)
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第二章 弐 逢ったことと遇ったこと
なぜか、眼が覚めたらここにいた。
高い天井と、目の前に移る、少年の顔。動けば体がきしむように痛み、動くことを少年にいさめられた。そして-------
「アサクラソウジの寒天版ってなーんだ?。」
なぞなぞを出されたのである。
まず最初に、殴っていい?という疑問が思い浮かんだ。なぜいきなり、なぞなぞを出す。というか、ここはどこだ。いきさつを説明するのがあんたの役目じゃないのか?。----突っ込みたいことは、山ほどあった。
「おい、はやく。」
「え、えーっと・・・・。」
やさしく大人な私は、考えてあげる。
というか、このひと、顔立ちから、私より年上じゃないのか。なんで、ガキっぽいことをするんだ。
「・・・わからないです。」
そういうと、にっこりと満面の笑みを浮かべられる。・・・なんかむかつく。
「そうか、正解はなぁ・・・。」
やっぱりガキだ。
「桜草でーす!。」
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ああ、そうですか。
冷たい眼でその人を見上げていると、その人はおかしそうに笑った。
「ごめんごめん。まず自己紹介だよな。」
まずそれを先にしろよ。
「俺はアサクラソウジ。浅い倉に、総てを司る。ってかく。」
そして、お前は?
そう聞くと、整った顔をはにかみ、総司ははやく、早くと促す眼をさせた。
「・・・・ユキネです。雪の音ってかきます。」
「そっか、よろしくな!雪音!。年は?。」
「十です。・・・総司さんは?。」
「俺か?、俺はなぁ・・・・・。・・・・・・・・。十六だ。」
今の長い間はなんだったんだろう。
その点には、考えないことにした。
「・・・どうして、ここに。というか、何があったんですか?。」
そうきくと、総司の顔が、一瞬暗くなった気がした。
「え?。ああ、ちょっとなぁ・・・。」
そう濁される。
思い出そうとすると、頭の警鐘がかんかん、と狂い響く。思い出しては駄目。オモイダシチャダメ。
それ以上聞いたら、何かが変わって気がしまう気がした。
「・・・・俺、今日からお前の保護者的な存在になったから。そこらへんよろしく。」
「へ!?。」
「ここの領主の大紀様のご命令だ。以後、兄みたいな人として慕うように。」
なんだ、兄みたいな人って。
「お前、苗字はいるか?浅倉家の。」
「そんなのいりません。長く語りたくありませんから。」
「おまえ、雪みたいにつめたいな・・・。」
「ありがとうございます。」
いや、ほめてねぇ。と総司が突っ込む。
これが、最初の記憶。
何があったのかを覚えていない私を拾ってくださった総司さんとの出会いだった。