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我落多少年とカタストロフ【完結】
作者: 月森和葉 ◆Moon/Z905s  (総ページ数: 42ページ)
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10~ 20~ 30~ 40~

*15*

 登校日からもだいぶ経ち、補習も終わったある夜。
 夏休みもあと一週間ほどで終わりである。
 遥香は、残りの宿題を片付けてしまおうと机に向かっていた。
 霧には会わないが、悠人には何度も会った。
 いわゆる、デートという名のお出かけである。
 一段落したわけでもないが、少し休憩しようと思ってテレビをつけた。
 最初に画面に映ったのは、何処かの会場での記者会見のようだった。
『……、…………!』
 記者が騒がしく質問を投げつけ、それに当事者が答える。
 何か言うたびに、激しいフラッシュが反射して、テレビ画面の向こうなのに眩しい。
 明るく瞬くテレビを観るとも無しに見つめ、氷の入ったカップに口を付ける。
 記者会見が終わり、ニュースキャスターが映る。
『……以上が、核変動による記者会見でした。政府は、この問題を……』
(核変動……? それって、ガチにやばいんじゃない……?)
 そう思いつつもさして大したことにも思えなかったので、テレビを消して机に戻った。

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