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我落多少年とカタストロフ【完結】
作者: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (総ページ数: 42ページ)
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作者: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (総ページ数: 42ページ)
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*37*
画面の中では相変わらず彼らが崩れ落ちる瓦礫から逃げ惑っている。
「…………それが、どうしたと言うんだ」
何かが変わった、彼の中で。
霧は今まで組み伏していた男から手を離すと、ゆらりと立ち上がった。
「……僕の髪が今ではこんなに長いのは、なんでかな?」
髪の一房を取り上げて、ぽつりと言った。
最初は何のことかと思ったが、男はやっと気付いたらしい、立ち上がって霧を止めようとしたが、もう既に遅い。
霧は踵を返して走り出した。向かうのは先ほどまで彼が座っていた玉座のあった場所である。
場所に面影などは既に無いが、空間は繋がっている。
「やめろ……!」
何も無い空間に勢い良く飛び込む。
すると、霧の身体がふっと消えた。
何処へ向かったのかというと、“あちら側”である。
“こちら側”と“あちら側”は時の流れが違うのだ。
それならば、向こうからならこちらの崩壊を止められるのでは?
答えは、正解なのである。
男も急いで“あちら側”に向かおうとするが、もう遅い。
スクリーンに映った街は、もとの平静さを取り戻そうとしている。
街を行く人々は、何が起こったのかという表情をしていて、さっきまでの阿鼻叫喚が嘘のようだ。
「ああ……!」
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