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*26*
序章
目の前には、狼がいた。
それはF.O.Eだった。
スノーウルフやフォレストウルフなどの普通の狼型F.O.Eではない。
――雪狼(せつろう)の王者。
そうだ。きっと、雪狼の王者と述べられるだろう。
狼の手が迫ってくる。痛そうだ。死にそうだ。
「リディア……」
――実際、あの子が死んでしまった。あの、か細くも強い手で。どうせ死ぬ。あの強い手の中の武器にやられて。
桃の髪をしたあの子が倒れている。やはり、リディアだ。なにかをいおうとして息絶えた。その隣には、赤髪の青年。アイザックもなのか。
あと二人も倒れている。あの双子、息がぴったりだったのにな――。
ザシュッ!!
――そこで、青年の意識はなくなった。
皇帝ノ月、三日のことだった。
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