完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~

*17*

  ライデンside

「具合どうだ?」

現在、ジルマーズの国立病院にいる。
とある人物のお見舞いを頼まれたのだ。

「………別に。」

とある人物とは、もちろんセイシュン。
そして依頼主はイタルータだ。

「これ、イタルータから。手作りだとよ。あいつホントに器用だよな。特技がほとんど女性的だし…」

俺は鞄から袋を取り出して、セイシュンに手渡した。

「……イタルータ?……シュークリーム?」

セイシュンは見たことないようなぽけっとした顔をした。

「お前が好きなものだって言ってたぞ」
「んな……そんなんじゃない」

セイシュンは若干顔を赤らめ、しばらくそっぽを向いた後にシュークリームを食べ始めた。
……相当な甘党らしい。

あの組織を制圧したあと、俺達は急いでセイシュンを病院に担ぎ込んだ。
食人植物から受けた傷も相当なものだったが、その前の組織で受けていたウィルスが抜けていなかったらしい。
1歩遅かったら命が危うかったそうだが、4日ほど経った今では問題なく回復しているそうだ。

後3日ほどすれば無事退院できるという。

そういえば、と、もうひとつの用件を伝える。

「退院したらツバキに会いに行ってやれよ。あいつ都合つけられなくてずっとそわそわしてるんだよ。」

ツバキはあの日から常にセイシュンのことを心配しているらしく、話しても必ずその話題は出てくる。
ミカン曰く、「ま、悔しいけど心配するのは仕方ないですよね。幼馴染みらしいですから。」らしい。
……悔しいけどってなんだ。

しかし、

「……ツバキ。あの子には会いたくないんだよ」

目を伏せて、意外な答えを返した。

「……え、なんでだよ。この前ちょっと顔見た程度だろ?」
「……あんまり深入りしないで。」

それだけ言うと、布団にもぐり込んでしまった。
……目つきとその下のクマのせいで、引きこもりに見えてしまう。

「……わかったよ。じゃ、お大事にな。」

俺は空になった袋を取って病室を出た。


「(……ツバキ、これ聞いたら悲しむよな。)」








……ミカンに協力してもらおう。

16 < 17 > 18