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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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10~ 20~ 30~ 40~ 50~

*10*

  ライデンside

イタルータ、アイリを後に残し、俺、ヤジータ、ツバキ、フィギールの4人は、ひたすらに階段を登り続けた。

「……前から、植物の匂いする。」

フィギールの声が聞こえ、俺達は立ち止まる。
赤い食人植物は、またもや俺達を取り囲むように存在した。

「徹底的に邪魔されてますね……」
「そうだな。吹き飛ばしてみるか?」

ヤジータは鉈を抜く。

「いや……ここで一瞬振り切っても、階段を登ってるときに追われたら戦闘は不可能だ。そうなったら簡単には片付けられない。下手すれば……」

俺が分析すると、3人の目が変わる。



「ヒャーッハハハハハハハハ!おらおら雑魚共ぉ道を開けろおぉぉぉぉぉぉ!」

突如狂ったような笑い声が館内に響き渡り、同時に赤い食人植物達が宙に舞い、黒ずんでいった。

爆発らしきものの中心地には、巨大な漆黒の鎌を手元でくるくると回す、黒髪ショートボブに金髪のメッシュが入った赤と青のオッドアイの少女が不気味な笑みを浮かべていた。

「全く……暴走癖を治してほしいですね」
「冷静さを欠いたものは一番に死ぬぞー。」

ケタケタと笑う鎌の少女の後ろから、オレンジの髪をツインおさげにし白黒リボンを付けた白ジト目の女性と、フィギールのようには折れていないが猫耳を持った黒目の白衣の女性が現れた。

「あー、なんか国家組織の人達ですよね?ここは鎌の子が抑えててくれるんで、先登ってください。」

オレンジの髪の女性が、突然俺達に告げた。

「え、でも……」
「大丈夫です。あの子強いので」

軽い口調で告げるが、実際問題そういうわけにもいかない。

「……じゃあ、フィギールがここに残る。お前らさっさといけ。」

フィギールがすっと前に出て、鎌の少女に近付く。

「フィギール、お前手伝う。人間少ない方がいい」
「ヘヘヘ、こりゃまた可愛らしい猫ちゃんで」

フィギールはあからさまに機嫌が悪くなっていたが、踵を返し食人植物に殴りかかる。

「ヒヒ、機嫌悪くしちゃったかねぇ……」

尚も不気味に笑いだした鎌の少女も、食人植物を打ち上げていった。

「星屑の魔術師、レイド・エストリージャの力……思い知れ!」

少女は鎌を振り上げる。
そしてフィギールもグローブを掴んだ。

「グローブ・覇王拳!」
「デスサイズ・ビッグバン!」



二人の声と食人植物の断末魔を背に受けて、俺達は階段を登った。

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