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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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*24*

  ライデンside



「やっほー!みんな朝はえーな!」
「……」

朝からジンはハイテンションだった。
それにネオンは便乗し、イタルータはテキパキと野宿の後片付けを進め、ツバキは目を擦り、セイシュンは無表情で上半身を起こしていた。
ちなみに俺はかなり眠い。

「ところでお前らはどこにいくんだ?」
「セルフィンザの王宮だよ。俺達こう見えてジルマーズの軍なんだ。」

ジンは一瞬驚いたように目を見開き、そのあと俺の手をとった。

「マジかよライデン!俺セルフィンザの兵士なんだ!」
「はぁ!?」

まさかの話だった。てっきり服装と態度とクリスタルのせいか、繁華街を彷徨くろくでなしなのかと……

「てなわけで、俺案内するぜ!こっちだ!」

俺達は一人で歩き出したジンを追った。















「うわぁーっ!ここがセルフィンザ!」

ネオンは始めて訪れるセルフィンザに興味津々だった。
あらゆるところに古城の塔が見える変わった街並みだった。

「おーい、王宮はこっちだぜ!早く早く!」

足を止めていた俺達は、ジンの言葉で先に進んだ。

「そういやジン、お前兵士って言ってたよな?軍にはいなくて大丈夫なのか?」
「軍には属してないんだけど、兄さんとペア組んで動いてんだ。」

若干ドヤ顔だ。

「兄さんはホント真面目なんだ。たまには息抜き必要って声かけても、書類ばっか見てるしな。俺みたいな遊び人からして見れば馬鹿馬鹿しいって思っちゃうけどな」

遠いところを見るような目は、どことなく悲しそうにも見えた。

「……ジン?」
「ん?ああ、ゴメン。」

話してるうちにだ、とジンが呟いた。気付いたら、もう王宮の前まで来た。












「ジンッッッッッッ!!」
「にっ、兄さん!?なんでここに!?」
「俺はここの兵士だ。いて当然だろう。それにお前も兵士だろ?昨日は何してたんだ?」

ジンが兄さんと呼んだ男性は、ジンを有無言わせず問い詰める。
紺色の髪、髪型とクリスタルの色が青いこと以外はほとんど格好は同じだった。ジンの色違いみたいなものだった。
目の色も変わっていない。

「え……えと……昨日は……その」
「夜遊びだな?」
「ハイ」

男性はジンを全力で殴り付けたあと、俺達に歩み寄った。

「弟が無礼をしたようで……申し訳ございません」
「いや、いえ、別にその……」

……対応に困る。

「お待ちしておりました、ルナティックソルジャーの方々。俺はシン。シン・カトリュスと申します。」

シンと名乗った男性は、流暢にかたい言葉を繋ぐ。
俺達は簡単に自己紹介を済ませた。

「この上の階に皇子がいらっしゃいます。遥々来てくださった上に恐縮ですが、今すぐ会っていただけませんか?」
「は、はい。」

シンに誘導されるまま、俺達は階段を登った。





ジンは、階段を登る間に一度だけ、びくりと肩を震わせた。

「……どうした?」
「………………」

ジンの目は、いつもの浮かれたような目ではなかった。

「お、おい」
「……誰だかはわかんねぇけど……わかんないけど」

ジンは俺の肩を急に掴んだ。

「お前……殺されるぞ。この軍の誰かに」



その言葉の意味は、簡単には理解できなかった。

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