完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~

*23*

  ライデンside

「誰だ金忘れたやつーッッッッッッ!!!!」

俺の声は夜の森を駆け巡った。







「はぁ……もう」

まさか野宿することになるとは思ってもいなかった。
主犯はネオン。
あいつが金を忘れたせいで俺達は一文無し、宿どころか夕飯すらない状態なのだ。

「ご、ごめんってライデン……機嫌直して?」
「直ってるよ、とっくに」

夕飯は我慢する。なにしろこんなところで食人植物に出くわしたりしたらたまったもんじゃない。

イタルータ達は他の場所で野宿の準備をしていた。

「さーて、枝集めればいいんだっけ?」
「ライデン火なんてつけられるの?私がちょーっと魔武器を使えば一発よ!」
「やめてください」






「だぁれかー!誰かいねーのかー!」

誰かを呼ぶ声がした。男の声だ。


「誰だ?」
「さぁ……とりあえず返事しとこっか」

ネオンはその辺にあった石と枝で器用に火をつけ、

「こっちに人いまーす!」

と大声で叫んだ。

「……何やってんだ?わかるわけねーだろ」
「でも、とりあえずは、と思って……」

「いやー助かったぜ!」



物音ひとつ立てず、赤髪の青年が、俺達の後ろに立っていた。








「で。」

野宿の準備を終わらせた俺達は薪を囲んでいたが、突然イタルータがきりだした。

「あの子誰?」

薪に手を翳す赤髪の青年。耳に付いた大きな紅いクリスタルが特徴的だ。
目は、セルフィンザ人の証でもある赤と青のオッドアイをしていた。

「さぁ……セルフィンザ人であることは確かだけど」

俺が曖昧に返事を返すと、青年が反応した。

「さっきは火、起こしてくれてありがとな!助かったよ。」

くったのない満面の笑顔でネオンを見ていた。

「全然大したことないよー!」

ネオンも笑顔を返す。
気さくな性格のようだ。

「で、貴方はなんでこんなとこにいるんですか?」

イタルータが怪訝な顔で尋ねる。

「んと、夜遊びしてたら手持ちのランプ消えちまってさー。道わかんなくて困ってたんだよ」
「何してんだよ。」

……不真面目な性格なのか?


「あ、俺ジンっつーの。よろしくな!お前らは?」

突然青年……ジンが名乗る。
俺達は軽く自己紹介をして、それぞれ夜の見張り番を決めて休んだ。

22 < 23 > 24