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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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*49*

  ライデンside


ボロボロになっているセイシュンとヤジータ、そして何もなかったかのように浮いているアヤは、驚愕の目を向けた。

「んな……どうして!?」
「ライデン……!?」
「何があったんだ……?」

目を閉じると、自分の姿が浮かんでくるような感覚になった。
髪は白銀の色に青が混ざり、手に持っているサーベルには雷と炎が宿る。
そして頬に、ひし形のような紋章と、赤く太い線が入っていた。

「遅れて悪かった、もう大丈夫だ。」
「ライデン……」

セイシュンは立ち上がろうとするが、すぐに倒れこんでしまう。



そのとき、聞き覚えのある声が響いた。




『……全く、情けないよ?セイシュン』

透けている姿で現れたのは、間違いなくイタルータだった。
いや……イタルータの魔力と言った方がいいだろう。

『ツバキを助けるんでしょ?なんなら俺も手伝ってあげようか……?前みたいに操ってさ……』

嫌味のようにセイシュンに問うイタルータ。
だが、セイシュンははっきりと答えた。

「……お断りだ!」
『そっか、残念だ。でも……ちょっとは手助けさせてもらうよ……』

イタルータの魔力は立ち上がろうとするセイシュンを支え、そのまま消える。
イタルータの魔力が、セイシュンに全てを託したんだ。


『ヤジータ……』
『おい、しっかりしろ』

今度は二つの魔力が現れた。

「アイリ……フィギール……」
『僕達の魔力……君に託すよ』
『これだけのことしかできなくてすまない……』
「ううん、すごく助かるよ……」
『みんなのこと……頼んだ』

二つの魔力も、ヤジータへと宿る。




それを見ているうちに、俺の頭にたくさんの声と映像が流れた。


『無事に帰って来なさいね』
『待ってる身にもなってね!』

ムンナとリーナ。いつもはケンカばかりだが、今日は二人で手を合わせている。


『……みんなのこと、託したぞ』
『祈ることしかできないが……頑張れ』『頑張れ!』

ミカンとミクロ。じっと世界樹から目を離さない。

『帰ったら盛大なパーティをしましょう』
『帰ってこなかったら許さねーからな!』
『貴方達の帰還……心よりお待ちしています』

ユーティアと、シン、ジン。落ち着かない様子のジンを眺めているユーティアも、紅茶を溢していた。




『俺のぶんまで頑張ってくれよな!』

……レイド。どこかはわからないが、ニンマリと笑っていた。





『お願いです……助けて……!』

そしてツバキ。狭い空間で泣いていた。

……今、助けてやるからな……







「行くぞ」
「了解」
「……」

短い掛け声と共に、俺達は武器を構えた。



これが……最終決戦だ。

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