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*59*
「あれ…。開いてる。」
立花が言っていた美術室に来たが、扉が開いていた。
あいつ、もういるのか?っていうか、どうやって美術室空けてもらった
んだろう?
中に入ると立花がいた。絵を描いているようだった。
「ああ、来てくれたんだ。」
「来たよ。で、本題は何?」
「うん…。話を聞いてほしいんだ。俺、なんで君のこと好きになったのか、
話してないじゃん?聞いてくれる?」
そう話す彼の口調はいつもと違いとても素直で、私も素直に返事をした。
「分かった。」
「俺さ、中学生になって、ここに引っ越してきたんだよ。」
「知ってる。」
「でも、実は昔、ここにいたことがあるんだ。」
「え。そうなの?」
「ああ。」
そういうと、さっき描いていた絵をこちらに向けてきた。
「…!」
絵には、きれいで美しい桜が描かれていた。
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