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*69*
「結局さ、私は初恋がまだなんじゃ…?」
「…そうだね…。」
「っていうことは、私が立花を好きなわけないよね。
…やっぱり、断るしかないよね。」
「……。」
さらが立花に抱いている気持ちは恋だけど、私はそんなこと思ったことがない。それが彼女の話を聞いていて気付いたことだった。
ちょっと悲しい現実を受け止めながら、私はさらに言った。
「えっと…。あっ、そういえば今日の宿題多かったよね。早くやらないと。」
「そうだね。ごめん。もう遅いし、帰ったほうがいいよ。」
「うん…。」
帰り際、私はさらに笑って見せた。
「きょうはありがと。初恋がまだなんて、私ウブだなあ、あはは。」
「……。」
「なんか…ごめん。」
そう言って走り出した後だった。
背後からすごい足音がした。
誰かが追ってきているようだった。
誰だろう…?さらじゃないよな…。
とりあえず追いつかれないように、ペースを上げたがまだ追ってくる…。
怖い。
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