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*11*
ステージ7「夜の林」その一
この話の主人公、関索
一行、関索、井伊直虎
とある亜空軍の戦いで怪我を負った関索は森で暮らしている井伊直虎とそのポケモン達に救われた。各地で亜空軍の侵略が始まりこの森も狙われていることを知った関索は直虎と共に亜空軍を倒す旅に出たのだった・・・。
〜湖畔〜
「たあっ!」
かつてピーチとゼルダを巡って騒動が起きた地、湖畔。今、井伊直虎が横向きのドリルキックをして、ビッグプリムを横転させた。関索と共に亜空軍と戦っていたのだ。
「くらえ!」
関索はジャンプして両節棍から衝撃波を飛ばして、マイト達を退けて、着地と同時に強烈回転脚をしてバイタン達を一掃した。
「えーい!」
一方、直虎はソードプリムを背負い投げで転ばせて、ファイアプリムを回し蹴りで倒し、迫るアラモス卿を蹴りからの衝撃波で粉砕した。
「関索様!」
「直虎殿!」
関索と直虎は背中を合わせた。辺りを見ると、亜空軍がじわじわと迫っていた。
「す、すごい数です・・・」
「諦めては駄目だ、きっと突破口があるはず!」
「すみません、弱気になってすみません!」
「必ず勝つ!」
「はい!」
関索と直虎は敵に向かって突き進んだ。関索は両節棍を振るって、並居るプリム達を一掃して、ファイアプリムが吐く炎を両節棍をプロペラのように回して防ぎ、接近してくるプリム達を蹴りで倒していった。
「ガオーっ、グオーっ!」
そこへタウタウが雷を鳴らして突進してきた。
「私は軍神の子、そう簡単にはやられない!」
迫るタウタウに関索は無双乱舞、烈風猛襲脚をしてタウタウを倒した。
「やあ、えい!」
直虎はプリムの大群を相手に奮戦していた。パンチやキックで攻撃してくるプリム達を蹴散らしていった。しかし、そこへソードプリムが直虎に切りかかってきた。
「きゃあ!」
直虎はこれを避けるが、バランスを崩して地面に転んだ。ソードプリムが剣を突き立てた。
「きゃああ、助けて!」
「待て!」
関索が衝撃波を飛ばして、ソードプリムを粉砕した。
「直虎殿、お怪我は?」
「関索様、危ないーっ!」
関索が後ろを向くと、ビッグプリムが拳を振り下ろしてきた。関索は直虎を横抱きにしてジャンプし、既の所でこれをかわし、衝撃波を飛ばして、ビッグプリムを倒した。
「はあ、良かった。直虎殿・・・」
関索が見ると、直虎の目には涙が浮かんでいた。
「すみません、すみません、私のせいで・・・!」
関索は突然のことにどうしたらいいか解らずにいた・・・。
〜夜の林〜
「はあ、亜空軍も手強かったな・・・」
夜になり、関索と直虎は焚き火で暖をとって休息していた。直虎はまだ暗い顔をしていた。
「まだ、気にしているのか?」
「本当に、ごめんなさい。私が油断したばかりに、危険な目に合わせてしまって・・・」
直虎は体育座りで頭を下げて関索に謝罪した。
「うん、貴方が思っているほど、私は気にしてはいない。貴方のせいで、危うい目にあったなど一度も思ってはいないさ。だからもう、水臭いことは言われるな」
「ごめんなさい、でもそう言ってくれると、嬉しいです」
「やっと笑われた。その、気晴らしになると思うが、貴方の森での日々を話してはくれぬか?」
「あ、はい。そう言われるなら・・・」
直虎は森に着くまでの出来事を話した。かつて、父や大切な人を失い、各地を当て所なく彷徨っていた日々、そしてここへ流れ着いた時に森のポケモン達が温かく迎え入れてくれたこと、彼等と過ごした、穏やかで暖かい時間・・・。
「私、思ったんです、あの子達を守れるように、強くなりたいと。けど、私は、貴方を危険な目に合わせてしまった。私は、強くはなれていなかったんです。関索様は、どう思いますか?」
直虎は涙をこぼした。話を聞いていた関索は穏やかな顔をして直虎の涙を指で拭った。
「関索様・・・?」
「貴方は充分強い人だ。かけがえのない命を守る、そのために戦える武人は尊い。貴方にはその素質がある」
「え・・・」
「貴方の蹴り技は私と違って美しく、見る目がある。私よりは優れている。謙遜せず、もう少し自信を持たれよ」
「関索様、私・・・嬉しい!」
直虎は関索の腕に抱きついた。関索の優しさに嬉しさが一杯だった。
「どうされた?」
「すみません、しばらく、こうしていていいですか」
直虎は安心した子猫のように擦り寄っていた。関索は照れくさそうな顔をしたが、けれども直虎をそのまま自分の腕に預けた。
「関索様・・・。私、貴方と旅に出れて・・・むにゃ、幸せです・・・」
直虎はすっかり寝入っていた。その時、ガサゴソと何かが動く音がした。
「何だ?」
関索は警戒した。辺りを見回して、直虎を起こさないよう、彼女をそっと仰向けにして寝かせて、音がした草陰の方へと近付いた。すると草陰にいた何かが逃げ出した。
「待て!」
関索は逃がすものかとその後を追いかけた。
「しまった。振り切られたか・・・」
しかし、途中で見失ってしまい、気付けば林の中で迷ってしまったいた。
「迂闊だった。急いで直虎殿の元に戻らねば・・・」
関索は寝かしておいた直虎が心配になった。戻ろうとしたが、
「!」
何かの光線が、関索に目掛けて、放たれた・・・。
その頃、関索の危機を知る由もない直虎は仰向けですやすやと寝息を立てていた。そんな彼女に近付く影が接近していた。
「は!」
直虎は目を開いて起き上がった。周りを見ると、五体のプリムと、バズーカプリム、ブーメランプリムが隙を伺っていた。
「関索様が、いない?!」
直虎は関索がいないことに気付いた。彼女はすぐにプリム達の仕業だと気付いた。
「関索様をどこへやったのです!」
直虎の言葉にプリム達が通じるはずがなかった。それどころか直虎にじわじわと接近していた。
「恐い・・。ううん、諦めちゃ駄目!私は強いんだから、こんな所で恐がっちゃ、関索様のために戦わなくちゃ!」
直虎は勇気を振り絞ってプリム達に立ち向かっていった。
「関索様、待っていてください、必ず、助け出してみせます!」
続く・・・。