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*17*
ステージ9「湖畔」
この話の主人公、源義経
一行、源義経、自然王ナチュレ、電光のエレカ、レントラー、キャタピー、クルミル
「えい!」
義経一行は湖畔に来ていた。エレカのキックと光弾が美しく飛んだ。接近してくる敵には、回し蹴りとかかと落とし、サマーソルトキックを決めていく。しかし、そこにまともに戦えていない男が一人、義経である。彼は手で顔を隠して戦うエレカをチラチラと見ていた。
(う〜、何と言う目の毒だ、まともに戦えぬ!ナチュレも何故こいつを連れて行くのだ・・・!)
義経は顔を隠していたがそんなことでまともに戦えるはずがなかった。見れば見るほど目に映るのはしなやかな太ももを武器に蹴りを振るうエレカの姿だった。
「義経、後ろ、後ろじゃ!」
「何?!」
ナチュレの言葉で義経が後ろを向くと、タウタウが怖い顔をして義経に迫って来た。
「義経ーっ!」
エレカが叫んだが、それも虚しく義経は吹っ飛ばされてしまった・・・。
そしてしばらくして、
「ナチュレ、お前って奴は!」
義経はあのあと、怪我の治療をしてもらったが、包帯ぐるぐる巻でプンスカとナチュレに怒った。
「何故、わらわに怒る?よそ見しておったお主がいかん。しかし本当に初心じゃなあ、お主。エレカが来てからというもの。のう、エレカのどこがエロいかの?」
「エロい?何の話だ、そもそも俺はあいつを嫌らしい目で見てはいない、だいたいあいつは腹やら足やらを出して、女としての恥じらいというものがな!」
「ひっど〜い、女の子に対する侮辱よ!」
「そう言うなエレカ。こいつは初心な猿なのじゃ」
ナチュレはニヤニヤ笑ってエレカ達に義経を指差した。レントラーは不思議そうに、クルミルとキャタピーは何のことかなと首をかしげた。
「もう、本当にクールビューティーな私が苦手なのね、じゃあ・・・」
エレカはクスリと笑って義経に近付いた。
「な、何をするんだ?」
不安な顔をする義経にエレカは女性に免疫のない男をからかうように顔を近づけて言った。
「私のビューティーなボディーを、見せて、あ・げ・る?」
エレカは義経の耳に息をフッと吹きかけた。義経の顔が一気に紅潮した。
「は、はわわ・・・!!!やっぱ無理だーっ!」
義経は一目散に逃げていった。
「あ、ちょっと義経?!」
「やれやれ」
「はあ、はあ・・・。裸の女は、苦手だ・・・!」
義経は湖の前にある一本の木に手を付けて息切れをしていた。
「わっ!」
「ぬわ、何だ?!」
安心したのも束の間、突然木の上からぶら下がった状態で緑のポニーテールの女の子が驚かせた。
「何だお前、ま、また裸の女か?!」
義経はその少女の衣装にまた顔を隠した。それもそのはず、その少女の衣装は薄い布しかない際どいビキニにへそ出しでガーターベルト、下着も見えてしまいそうなほどの露出の高い格好をしていたからだ。
「ん、あ、この格好のことね。へへ、私そんなにセクシーに見える?そう言えば!」
「?」
「自己紹介がまだだったね。あたしはノノ。マムクートの竜人よ。木の上で昼寝をしていたら貴方がやって来た。これって運命の出会いかな?よろしくね」
「ああ、よろしくたの、てそれはいいが、何か着てくれ!」
「ん?着るって?」
「お前の格好、目がおかしくなる!だから露出のないやつに着替えてくれ!」
「そう言われてもこれしかないもん。ふふーん、貴方ってこう言うのに弱いんだ。可愛いーっ!」
「可愛い、俺は可愛くない!早く他の・・・!」
義経が後退りをしようとした時、足に水晶のような物が当たった。それは光出して一人の女性が現れた。
「私を目覚めさせたのは誰だ?」
「わ、うわ、また、裸の女が!!」
現れた女性も金髪にへそ出しに太ももにガーターを巻いたエレカのように美しい美女だった。
「ふむ、精霊王のミラ・マクスウェルの私を起こしたのはお前か?見れば中々、腕の立つ男だな。いいだろう」
「何がいいんだ?」
「私は今から君の主として同行してやろう」
ミラは義経に握手を求めてきた。
「いや、待て、俺は・・・!」
「どうした、顔が赤いぞ?熱でもあるのか」
「あのー、この人、こう言うタイプの子が・・・」
ノノが説明しようとした時、
「義経ーっ!」
エレカ達が義経を見つけて駆け寄った。
「わわ、エレカたちまで!」
「あれれ」
「お前達は誰だ?」
「むむむ、女の子が二人・・・!」
ノノとミラを見たエレカは泣きそうな顔をして義経に詰め寄った。
「ひどいわ義経、私に隠れてほかの女の子と出来ちゃうなんて!」
「出来るってなんだ?!だーからそんなに近づかないでくれ!おい、頼む、俺を助けてくれ!」
義経はナチュレに助けを求めたが、ナチュレはニマニマと笑い、ノノはあらあら、と驚いて、ミラは何のことやらと首をかしげていた。
「義経、この際いいではないか。裸の女の二人や三人妾にしても、ふふふふふ」
ナチュレは義経をからかって、ニヤニヤ笑った。ノノとミラもこれを間に受けた。
「妾?それって妻のこと?じゃあ、そうしよっと!」
「夫婦の契か、悪くはないか」
「ちょっとー、義経は渡さないわよーっ!」
これにエレカは義経は渡さないと、義経の顔を自分の胸に埋めた。
「むがが、女子の胸が!弁慶ーっ、助けてくれーっ!」
湖畔の辺りに、義経の叫びが響いた。その後の道中も、彼女達の際どい衣装でまともに戦えず、ボロボロになったとか無かったとか・・・。