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スマブラ セカンドストーリー 復活の亜空軍
作者: たくと七星  (総ページ数: 39ページ)
関連タグ: スマブラ オリジナル 他社キャラ 夢の共演 アドベンチャー 
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10~ 20~ 30~

*18*

ステージ10「不気味な城」その一


この話の主人公、毛利元就

一行、毛利元就、ヨッシー、ポチ


 ヨッシー、そしてポチを仲間に加えた毛利元就は暗い森の中を彷徨っていた。どの道を通っても先は闇ばかりだった。
「まいったなあ。もしかして迷子になったのかな・・・」
 すっかり道に迷ってしまった元就一行。
「ヨッシー、どうすればいい?」
「わからない、ちんぷんかんぷんだよ〜っ」
 元就達のやり取りを見ていたポチは自分に何かできないかと地面の匂いを嗅いで出口を探した。
「ポチ、匂いを嗅いでるの?」
「うん、彼についていこう」
 元就とヨッシーはその後を着いていった。

「うわあ・・・」
 ようやく暗い森の中を抜けた元就達だったが、目の前でそびえ立つものを見て、呆然とした。それは、何ともおどろおどろしい感じがする不気味な城だつた。屋根は黒く塗られて周囲を黒雲が包んで雷が鳴っており、空をコウモリが舞っていた。
「何とも、妖しい感じがするなあ・・・」
「やだなあ〜、僕は入りたくないよ〜」
 ヨッシーは恐がったが、ポチは何故か城の中へと入ろうとした。
「ポチ〜」
「仕方ない、危ない橋を渡りますか」
 結局、元就とヨッシーはポチに導かれるまま、不気味な城へと入っていった。そして門の所に差し掛かると、
「ちょっと待て」
 棍棒を持った牛とも豚とも言える巨漢の妖魔、牛鬼が元就達にとおせんぼをした。
「あれ、この妖魔、どこかで会ったような・・・」
「ブヒい、俺、誰かにいつも間違えられてるのかな・・・。じゃなかった。俺はここで余所者を入れないように門番をしている者だ。けど、俺と知恵比べに勝ったら、通してやってもいいぞ、ブヒ」
「本当かい、じゃあ、もし間違えたら・・・」
「その時は、お前達を骨ごと食ってやる、ブヒヒ!」
 牛鬼は意地汚く舌舐りをした。それを見てヨッシーは怯えだした。
「ブヒヒヒ、恐いか、でももう遅いぞ、では問題!生まれた時は四つ足、大きくなると日本足、そして三本足になる生き物、何だブヒ」
 牛鬼の出した問題に一人と二匹は頭をひねった。しかし、単純なヨッシーは中々答えが出ない。ポチは解ったようだ。そして元就はひらめいた。
「答えは簡単だね」
「何い?!」
「答えは人間だ。生まれた時は赤ちゃんだから四本足。大人になって二足歩行で歩くようになるから二本足、最後に年をとって杖を付くようになるから三本足、そう難しくはないね」
「・・・・・・」
「・・・・・・、あれ、違う?」
「正解!!!ちくしょ〜ブヒ!」
「はあ〜、危なかったよ〜」
 ヨッシーは無事正解になったことにホッとした。
「悔しいけど約束だ。ここは通してやろう。けどな、俺は決してお前等を食えなかったことをがっかりはしてないからな、それは覚えておけよ、ブヒ!」
 牛鬼は重い体を動かして横に廻り、門を開いた。
「ありがとう、しかし可愛いな、彼」
 元就達は門をくぐって城の中へと入っていった。
「暗いなあ、こういう場合は落ちる仕掛けがあることがあって・・・」
 元就が城の仕組みを説明しようとした矢先、
バキッ!
「やっちゃったな、うわあ〜っ!」
 案の定、木の板の床を踏んでしまい、板が壊れて元就達は城の下へと落ちていった。

「ハ〜ハハハハっ!」
 その頃、城の地下では白いハットに白いスーツを来たぽっちゃりの男が高笑いをしていた。彼は怪盗アルデンテ。紳士怪盗である。どうやらお宝目当てでこの城へ来たようだ。
「ここにもお宝の匂いがするわね、待ってなさい、私の可愛いお宝ちゃん。このアルデンテが・・・」
 台詞の束の間、上の方から何かが落ちてくる音がした。
「何、何なのこの音、何か嫌な予感がするわ。あの時を思い出しちゃうじゃない?!」
 アルデンテは思い出したくもない出来事が脳裏に浮かんだ。あの時、突然現れた、メタボの二重あごの傲慢な男に自分の・・・、
ドオオン!
「あらーん!」
「痛た・・・」
 アルデンテは落ちてきたものに衝突した。それは元就ヨッシー、ポチの一人、二匹だった。
「皆、大丈夫かい?」
「う〜ん、大丈夫だよ、ちょっとかすったぐらい」
「ワンワン、ワン!」
 ヨッシーとポチは元就に怪我はないことを伝えた。
「良かった、うん?」
 元就はある物が落ちていることに気付いた。それは人の顔をした不思議な杖だった。
「う〜ん、何なのよ。あら、ステッキが無いわ!ちょっとそれあたしの!」
 ようやく起き上がったアルデンテは元就が自分の杖を持っていることに気付いた。
「それはあたしの杖よ、早く返しなさい!」
 アルデンテの声も虚しく元就が手にした杖が光りだした。
「何じゃ、アルデンテに帰ったと思えばまた、そうか、今度はお前がわしの主人だな」
「わあ、すごいなあ、これ喋るんだね!」
 元就はこのしゃべる杖にウキウキとしていた。
「これを本に書いてみようかな、どんな仕組みになって・・・」
「何とも変わった主人じゃ。まあいい。わしの名前はステッキオじゃ」
「へえ〜、名前のある杖なんて凄いなあ、ねえ、何が出来るんだい?」
 元就は少年のように目をキラキラとさせていた。
「落ち着け、まず、お主に力を授けよう」
 ステッキオは近くにあった宝石を吸い込んで、元就に自分の力を与えた。そして、元就は白いハットに片側のメガネ、白いスーツに身を包んだ、
「怪盗元就、参上!」
 怪盗元就に変身した。
「わ〜、すごいや〜」
「ワンワン!」
 ヨッシーとポチが拍手をした。一方、アルデンテは憤慨していた。
「な、何が怪盗元就よ、早くあたしの杖を・・・!」
「いや〜、いい物を手に入れちゃったな、このことは後で本に書いておかないと、さあ、行くよ!」
 元就達は地下を抜け出すべく、先を進んでいった。
「ま、待ちなさい、この、ドロボーッ!」
 その後をアルデンテが追いかけて行ったのは言うまでもないことである・・・。


続く・・・。

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