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スマブラ セカンドストーリー 復活の亜空軍
作者: たくと七星  (総ページ数: 39ページ)
関連タグ: スマブラ オリジナル 他社キャラ 夢の共演 アドベンチャー 
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10~ 20~ 30~

*2*

ステージ2「雲海」

この話の主人公、源義経


 雲が広がる地、雲海。かつて、ピンクの悪魔と、とある姫が遭難した場所である。亜空軍が倒されてから2年。しかし、平和の兆しはまだ見えていなかった。
「はあっ!」
 雲が広がるこの地で、一人の若武者がプリムの大群を相手に戦っていた。手の篭手から伸びる光刃で戦う武将の名は、源義経である。飛び出していくプリム達を切っていき活路を開いた。
「ぬう、一体、何匹出てくるのだ・・・?」
 ザコ敵ではあるが数の多さに義経は思わずため息を吐いた。そんな時である。
「おーい、誰かそこにおるのか?いるなら助けておくれーっ!」
 どこからか、助けを求める声が聞こえてきた。声からして少女のようでどうも下のほうから聞こえてきた。義経は声のする方へ行くと、雲の下に穴が出来ていた。その下に、杖を持った、少女の姿が見えた。
「おお、いいところに来た。さあさあ、早くわらわを助けておくれ」
「解った。これに捕まれ」
 義経は篭手から伸びる光刃をその少女に差し出した。
「待て待て、これに捕まれと言うのか?」
「文句を言うな。縄は持っていない。しばらくの間だ」
 義経の言葉に少女は渋々ながらもその光刃に手を掴み、引き上げられていった。
「ふう、助かった。礼を申すぞ、カラスのような猿よ」
「な、猿だと?!無礼者!!俺は八幡太郎義家公を子孫に持つ・・・!」
「しかし、この世界もまた乱れ放題になってしまったのう。2年前、スマッシュブラザーズ達が倒したようじゃがその掃討には至らなかったようじゃ」
「・・・・・・」
 少女の意味深な言葉に義経は怒りを忘れて複雑な気持ちになった。
「!」
「おや?」
 しかしそこへ、またもやプリムの大群が現れた。背中合わせにする二人だが、プリム達は周囲を囲んでいた。
「おっと、おしゃべりはここまでのようじゃ」
「お前、戦えるのか?」
「舐めてはいかんぞ、わらわは、自然王のナチュレじゃ!」
「それがお前の名だな、血路を開くぞ!」
 意を決して義経とナチュレは素早く動いた。敵を切り裂いていく義経と、杖で叩き、払い、光の光弾を飛ばして蹴散らしていくナチュレだったが、敵の数は予想を超えて多かった。義経とナチュレは、息切れをして背中を合わせていた。
「ふう、ちと苦戦しそうじゃな・・・」
「詰めが甘かったか」
 すると、ナチュレは手をポンと叩いてひらめいた。
「よし、救援を呼ぼう」
「そんなこと、出来るのか?」
「心配いらぬ、これがあるからの」
 ナチュレはエコバックから木製の携帯電話を取り出した。ボタンを押して耳に当てると、相手を読んだ。
「ヘイ、エレカ!カモン!」
 ナチュレはそう言って電源を切った。
「おい、それだけで大丈夫なのか?!」
「心配いらん。すぐに来る」
 義経は大慌ての顔をしたが、ナチュレはサムズアップをしてはにかんだ。しかし、絶体絶命の状況には変わらない。じりじりと迫ってくるプリムの大群。その時、突如、雷が発生して、無数の雷(いかづち)がプリム達に降り注いでこれを壊滅させた。
「な、一体・・・?」
「ふう、ようやく来たか」
 義経とナチュレが上を見上げると、黄色の髪に白を基調とした腋、くびれ、太ももを露出して、バチバチ光るマフラーを付けたいかにもスタイルのいい美女が浮かんでいた。自然軍一の強さとスピードを兼ね備えたクールビューティー、電光のエレカである。
「よく来たエレカ、助かったぞ!」
 ナチュレが笑顔で手を振った。すると、
「おわ?!」
 突然エレカは雷をナチュレに飛ばして来た。ナチュレはこれを咄嗟に避ける。
「何をするのじゃ!」
「あのね、ナチュレ様。助けを呼ぶのはいいけれど、あんなセリフじゃわからないでしょう!!」
「まあまあ、怒るでない。結果として助けられたのだしのう」
「全く、それで、そこにいるのは、誰?」
 エレカはナチュレと会話を終えると義経に目をやった。
「こいつか。義経と言う猿で、おや?」
 ナチュレが振り向くと、義経は篭手で顔を隠していた。明らかにエレカを見ないようにしていた。
「どうした義経、顔を各潮って」
「なあに、私に何かついてる〜?」
 エレカは降りると、義経に目をやった。
「う、何て恥じらいのない、まともに見れぬ・・・!」
「え、何?」
「助けてくれたのはいいが、は、は・・」
「うん?」
「早く何か着てくれ!」
「え?え?」
 義経のこの台詞にエレカは首をかしげたが、ナチュレはその意味を理解してニヤニヤと笑っていた。
 エレカと合流した義経達はナチュレの言葉で本拠地にしているジャングルに向かうことになった。そこで仲間の一人であるポケモンのレントラーが戦っているのだ。
 義経一行は道中の敵を倒しながら進んでいた。のだが、義経だけは普通に戦えずにいた。エレカの方に視線が行ってしまうからだ。雷を放つ仕草やキック、その度に彼女のグラマラスな体が美しくくねって、色香を振りまいているように見えた。
(くう、まともに戦えないではないか。なぜあんな格好で普通に戦えるのだ・・!!)
 義経は出来るだけ見ないように戦ったがそれでまともに戦えるはずがなかった。
「義経、後ろじゃ!」
「何?!」
 ナチュレの言葉に気付くと、背後からソードプリムが襲いかかってきた。だが、ナチュレが杖から光弾を飛ばしてこれを倒した。その後、
「義経、顔を隠しながら戦えるわけがないであろう。エレカが入ってからじゃのう、そうなるのは」
「な、何がだ?!」
「エレカと顔を合わせようとせぬし、合うとすぐに顔を隠す。はは〜ん、さてはお主、エレカがあまりにビューティー過ぎてスケベ心が出てるのじゃろ」
 ナチュレは図星だと、薄笑いを浮かべた
「な、そんなことはない。俺は嫌らしい目で見てなんかいない!第一、お前は気にならないのか、あんな腹や腕や足やらを露骨に出して、恥じらいを知らないのか!」
 義経の言葉にエレカがムッとした。
「ひっど〜い、こんなにもクールでセクシーなのに〜、でも、そんな私を照れた目で見るなんて・・・」
 エレカは表情を和らげて、義経に好奇の目を向けた。義経は後退りをしたが、隙有りと背後に廻って義経に抱きついた。
「わわ?!」
「義経ってかーわいい!」
「は、裸の女が・・がくがく・・!!」
「あ〜、やっぱり照れてるな、このこの」
「ふふふ、義経、お主うぶじゃの〜、うぶな猿じゃの〜」
 助けを求める義経にナチュレはニヤニヤしてからかっていた。からかいがいのある仲間を手にしてご満悦のようだった。ジャングルまでこんな道中が続いたとか続かなかったとか・・・。

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