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ステージ11「荒野」その二
一行、関索、井伊直虎、ワルビアル、ヒュウ(ケンホロウ、バオッキー、フライゴン)、ピット
「ぬぬぬ、仕方あるまい、ここは退却を・・・」
完全敗北したヴィオ達は逃げ出そうとした。
「逃がすかよ、ここで全員ぶっ倒してやるぜ!」
「ひいいい、助けてーっ!」
ヒュウが追撃しようとして、女下っ端が悲鳴を上げた。
「待つんだヒュウ、その必要はない!」
そこへ関索が止めに入った。
「どけ、こいつらは全員叩きのめしてやらねえと気が済まねえ!俺が潰す!」
「待つんだ、貴殿の言うとおり、奴等は敵だ。しかしその一人はまだか弱い乙女だ」
「え、乙女・・・!」
女下っ端は照れた。
「敵との戦いとは言え、幼気な命を奪うのは避けたい」
「・・・・・・・・。く、解ったよ。今日だけは見逃してやる・・・」
ヒュウは歯ぎしりをするも、関索の説得を受け入れることにした。
「え、俺達を見逃してくれるのか?!」
「何て優しい人達なの、貴方達!」
「ぐふふふふふ・・・!敵を逃がすとは、甘い奴等じゃ!」
その時、一行のものではない声が聞こえてきた。関索達が崖を見上げると、そこにはでっぷりした肥満体に凶獣のような醜悪な顔をした男、董卓がいた。董卓は着地して一行の前に立った。
「げ、董卓?!」
男の下っ端が仰天した。
「奴を知っているのか?!」
「ああ、我等、亜空軍の同士にして副総帥」
関索の問いかけにヴィオが答えた。
「ぐふふ、ここまで抵抗した貴様等の諦めの無さは褒めてやるぞ。じゃがその快進撃もここまでよ!そこにいるクズ共もろとも敗れ去るがいい!」
「な、何だって、おいあんた、俺達は仲間だぞ!」
「それにあたし達はゲーチス様の・・・!」
下っ端の二人組が言うと、董卓は薄笑いを浮かべて話した。
「ぐふふふ、解っておらぬようじゃな。これはお前達の主、ゲーチスからの命令じゃ」
「ええええええええええっ!」
「何ですってえええええええええっ?!」
「ゲーチス様、遂に我等まで切り捨てられるのですか・・・」
董卓の言葉から聞かれたゲーチスの非情な宣告にヴィオと二人組の下っ端は愕然とした。
「ひ、ひどい・・・」
「何て奴等だ、部下を自分の道具としか見ていない!」
直虎は悲しみ、関索は憤った。ヒュウは怒髪天をつくように歯ぎしりをしていた。
「ぐわははははははは!役立たずには死あるのみ!わしの呂布に討たれるがよいわ!行け!」
董卓が叫ぶと呂布が崖から飛び降りてきた。そして方天戟を引っさげて関索達の前に立ちはだかった。
「ふん、貴様等など目をつぶっても勝てるわ。安心しろ、一瞬だ。死にたい奴から来い」
「こんな奴らに敗けてたまるか!」
「行くぞ!」
ピット、関索、そして直虎達は呂布と対峙した。
「ちょっと待て!」
「我等も助太刀しようぞ!」
そこへプラズマ団も加勢に出た。
「何を言う、貴殿等は早く逃げられよ!」
「やかましい!このゴキブリ野郎と豚畜生にはペンドラーでぶっ飛ばしてやらねえと気が済まねえ!」
「絶対に逃げないわよ!」
下っ端二人組はボールを構えた。関索も彼等の覚悟を理解して共に立ち向かうことにした。
「解った、よし、皆で戦おう!」
「ワル!」
「オラオラ、来やがれこの野郎!」
下っ端のペンドラーとミルホッグ、直虎、ピット、ワルビアルが呂布に向かった。
「雑魚が、貴様等が束でかかっても、俺には勝てん!」
呂布が方天戟を振り下ろすとワルビアルはこれを掴んだ。しかし呂布は不敵な笑みを浮かべると、戟を振り上げてワルビアルを地面に叩き付けた。続いてペンドラーとミルホッグを滅多切りで吹っ飛ばした。
「はあっ!!」
直虎が呂布の戟をかわして回し蹴りを立て続けに浴びせたが呂布はビクともしなかった。
「ていっ!」
「無駄だ!」
ジャンプキックに出る直虎だったが、呂布の方天戟で叩き落とされてしまう。
「喰らえ!」
「ひい!」
「させるか!」
呂布が直虎目掛けて方天戟を振り下ろすと、ピットが前に出て神弓でこれをガードさせた。
「ぐ、重い・・・!」
しかし、呂布の力はピットの力をはるかに超えていた。戟の重さで膝が地面に付いてしまった。
「やばいぜ!」
「こうなったら、我等も!」
関索、ヒュウのケンホロウ、フリージオ、マニューラ、ダストダスが向かって行った。しかし・・・。
「うおおおおおお!最強の武を受けてみろ!」
呂布が無双乱舞、無双天武掌を放って関索達を吹き飛ばした。
「う、うわああああ・・・・」
「く、立てない・・・」
「ミ、ミルル・・・」
「パルテナ様、こいつ、強すぎます・・・」
その凄まじい威力に関索達は大ダメージを受けて悶え苦しんだ。絶体絶命、その時、上空から何かが飛行して呂布に電撃を飛ばした。呂布は戟で薙ぎ払った。そして電光のエレカが着地した。
「貴様、あの時の小娘か」
「あら、覚えてくれてたのね、ゴキブリ頭さん!」
「何い。ふん、あの時は逃げられたが、今度はそうはいかんぞ!」
呂布は方天戟を振り回してエレカに切りかかったが、エレカはしなやかな動きでこれをかわしていく。そして呂布に電磁波を放って呂布を動けなくした。
「な、馬鹿な、体が、動かん?!」
「エレカ!」
「おう、間に合ったか!」
そこへ義経、ナチュレ、レントラー、クルミル、キャタピー、ミラ、ノノが駆けつけた。
「そなた達は」
「安心しろ、見方だ」
「貴方達を助けに来たの」
ヴィオの問いかけにミラとノノが応えた。
「よし、ここはひとまず退却するぞ!」
「何、まだあいつを倒してないぞ!」
「解っておる、じゃが味方が傷を負った状況では全滅する可能性がある。ここは撤退して次なる作戦を考えるのじゃ!」
ヒュウは戦おうとしたが、ナチュレの指摘通り、呂布の戦いで多くの仲間がダメージを受けていた。
「ヒュウ、彼女の言うとおりにしよう」
「く、仕方ねえ・・・!」
関索の言葉を受けて、ヒュウ、そして一行は退散していった。その直後に呂布の硬直が解かれた。
「おのれ、逃げられるとは!ゲーチスにどう言い訳するのじゃ!」
董卓は地団駄を踏んで悔しがったが、呂布は平然としていた。
「ふん、まあいい。次こそは必ず息の根を止めてやる」
呂布は不敵な笑みを浮かべた。いよいよ、亜空軍との決戦が始まろうとしていた・・・。