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ファイナルステージ「亜空間最深部」その二
ピット、ヒュウ、関索、井伊直虎、ワルビアルは亜空間の最新部で激闘を繰り広げていた。戦いは彼等の優勢で進み、ポケモン達を倒していった。
「ぐぬぬ、戦局が一向に好転しないではないか・・・!」
自分の生み出した軍にゲーチスは苛立っていた。そしてプラズマサンダースティックから電流を放ってきた。
「ん、うわあああ!」
ミネズミを倒したピットにその電流攻撃が当たった。ピットは体がしびれて倒れてしまった。
「ピット殿!」
直虎が叫んだ。
「ワルビアル、ゲーチスを止めろ!」
「ワル!」
関索の言葉でワルビアルはゲーチス目掛けて突進した。しかしゲーチスは杖から、爆弾を飛ばして、爆風でワルビアルを吹っ飛ばした。ワルビアルは地面に転がって、倒れ込んだ。
「ハハハハハハ!もっとくらえ!」
ゲーチスは高笑いをして電流を飛ばし続けた。
「わあああ、くそ!」
「きゃあああ!」
「うわあ、ちくしょう!」
電流は地面にぶつかって爆風を起こし、三人、ケンホロウ、バオッキーを巻き込んだ。更にゲーチスが生み出したポケモン達もそれに巻き込まれて消滅した。
「く、自分の仲間を、非道な!」
関索は前進してゲーチスに向かった。蹴りを振るったが、これをかわされ杖で打撃攻撃を喰らい、電流を喰らって吹っ飛ばされてしまった。
「わああああ!」
関索は地面に衝突した。ダメージは大きく、起き上がれずにいた。
「関索様!うわあああ!」
傷だらけになった関索に直虎は怒りを爆発させた。走り出して、ゲーチスに蹴りを連続的に振るったが、
「ふん、甘い!」
ゲーチスはこれをかわしていき、杖の柄で直虎の腹部を強く突いた。
「うっ!」
直虎は怯んでしまった。そこへゲーチスは杖から光弾を飛ばして吹っ飛ばした。
「きゃあああああ!」
直虎は地面に倒れた。もがき苦しむ彼女に、ゲーチスは杖を突きつける。
「は・・・!」
「ご苦労様でした。これで終わりにしてあげましょう」
ゲーチスは邪悪な笑みを浮かべて、プラズマサンダースティックにエネルギーを溜めた。
「く、いかん!」
関索は必死で体を起こして、直虎の元へと走り出した。
「喰らえ!」
ゲーチスのプラズマサンダースティックから電流攻撃が放たれた。直虎は目をつむって覚悟したその時、
「ぐ、うおおおおおお!」
関索が直虎の前に立ち、ゲーチスの攻撃を一身に受けた。体中に電撃が流れ、関索の体力を奪っていく。
「ああ・・・」
関索は力なく倒れた。
「関索様!」
直虎は関索の体を起こし、目を覚まそうと揺らした。
「関索様、しっかり、しっかりして!」
直虎は大粒の涙をこぼして関索に声をかけた。関索はかすかな息をして、直虎の方を向いた。
「直・・虎殿・・・、無事で・・・良かった・・・」
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・!私が取り乱したばかりに、私・・・!」
「自分を、責められるな・・・。貴方は、悪くない・・・。貴方を、守ることができた・・・。それだけでも・・・」
「そんな・・・、最後の別れのような言い方・・・!」
直虎は首を横に振り、流れる涙を抑えられず、関索に「死なないで」と声をかけたが、関索の体は徐々に消えかけていた。
「貴方に、会えて・・・よ・・かった・・・」
関索は直虎に感謝の言葉を伝えて、目を閉じた。やがて彼の体は光の粒子となって消えてしまった。
「関索様・・・いやっ!関索様、いやああああ!」
残されたのは、直虎の悲痛な叫びだった。
〜亜空間〜
その頃、亜空間ではファイター達が敵を完全に掃討させた。
「やったわ!」
「うん、でも疲れたかな?」
エレカはサムズアップをして喜び、元就はふう、とため息を吐いた。
「ふむ、ここらの敵は倒した。じゃが先に行ったピットとあの猿達が心配じゃな」
ナチュレは先に進んだピット、ヒュウ等を心配した。
「なら、俺が行こう」
そこへ義経が名乗りを上げた。
「おう、行ってくれるのか、義経」
「なら、私も行くわ」
「じゃあ私も」
「私もだ」
「あたしも行っていい?」
ナチュレが言うと、エレカ、パンドーラ、ミラ、ノノが着いて行くといった。
「な、お前等もか、ま、まて、そんな格好では無防備だろ、ここは少し衣装を・・・」
義経は難色を示したが、ナチュレがここぞとばかりにからかい始めた。
「行ってこい義経、ピット達のピンチなのじゃ。ことは急を要する。裸の女子を幾人も連れても問題なかろう?」
「よくない!」
「ふ〜ふっふっふ、顔が赤くなっておるぞ、照れておるのか〜、義経〜?」
「ええい、ナチュレ、お前は、嫌な奴だ!何してる、早く行くぞ!」
義経はズンズンと足音を鳴らして先へと進んでいった。
「本当、おませさんな人ね」
ノノはくすりと笑った。
「ほんと、でもそこが可愛いわ」
パンドーラが胸をときめかせた。
「そうそう、見た目は大人でも、あっちは坊や」
エレカもクスクス笑っていた。
「行くぞ、義経に遅れを取るな」
ミラが進むと、エレカ達もその後を追い掛けていった・・・。
続く・・・。