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*37*
スマブラサイドストーリー第三回
荒野を覆う夕陽。その上をドラゴンポケモンのカイリューが自然王ナチュレを乗せて飛んでいた。ナチュレは配下にしたカイリューと共に亜空軍の残党を探していた。
「ふむ、まだ姿は見えぬようじゃのう・・・」
ナチュレは辺りを見渡したが、亜空軍の姿は見えなかった。
「ふむ、急ぎすぎてもあれじゃ。ひとまずカイリューの翼を伸ばしてやるとしよう。のうカイリュー」
「リュー」
ナチュレの言葉にカイリューは嬉しそうに頷いた。そして地面に着地して休憩した。カイリューは夕陽の光を浴びてリラックスを取った。一方、ナチュレは考え事をしていた。ゲーチスの部下とされるダークトリニティ。彼等はエレカを捕らえて義経達を待ち受けているという話が流れている。では彼等はどこにいるのか。そう考えていると、地面が揺れる音がした。
「な、何じゃ」
ナチュレとカイリューは身構えた。
「ドリューズ!」
地面から六匹のドリュウズが現れてつめとぎをして取り囲んだ。
「ブニャブニャブニャーっ!!」
更に笑い声と共に、崖からとらねこポケモンのブニャットが現れ、崖から飛び降り、ナチュレ達と対峙した。
「ファイターを見つけたニャット!ここで血祭りにしてやるニャット!」
「お主、亜空軍の残党か?」
「亜空軍?何のことだニャット、そんな軍、知らんぞニャット」
「やれやれ、見境なく相手を襲うとは、躾のなってない猫じゃ」
「余計だ、くたばれニャット!行けドリュウズ!」
「ドリュウズーっ!」
ブニャットの叫びでドリュウズ達は襲いかかって来た。
「カイリュー、お主の力を見せてやれ!」
「リューっ!」
カイリューは咆哮を上げてドリュウズ達に接近した。ドラゴンクローで一体を、ドラゴンテールで三体、ドラゴンダイブで二体を攻撃した。その猛攻にドリュウズ達はビビりだした。
「ひいい、あのカイリュー、強すぎる!」
「もう嫌だ、あんな奴に勝てるか!」
「静まれニャット!奴はひこうタイプも兼ねているニャット、いわなだれで沈めてやれニャット!」
ブニャットの一喝でドリュウズ達は冷静になり、いわなだれをしてカイリューにダメージを与えた。
「リュー・・・!」
「ぬぬぬ、弱点を突くとは、やるのう・・・」
いわなだれで攻撃されたカイリュー達だったが、そこへ、
「助太刀するぜーっ!」
「くらえーっ!」
空中からケンホロウに乗ったヒュウ、そしてピットがエアカッターとパルテナアローを放ってドリュウズ達を怯ませた。
「な、何奴だニャットーっ!」
ブニャットが驚いていると、ピットとヒュウが着地、そして関索、井伊直虎、ワルビアル、タブンネ、弁慶が駆けつけた。
「弁慶様のお出ましだぜ!」
「ワルウ!」
「ブンブン!」
「間に合ったか、加勢に入る!」
「すみません、間に合いましたか?」
そこへ、
「俺達もいるぞ!」
義経、ミラ、パンドーラ、ノノ、レントラー、アーケオスも参上した。タブンネがカイリューの体力を回復させた。
「猿に助けを頼んだ覚えはないぞ」
「相変わらずだな、仲間が来たことを喜ばないのか」
「仲間、ふん、猿が偉そうな口を聞く。だが、悪くはあるまいて。言っとくが悪くないだけじゃぞ。お主達猿どもと馴れ合う気はこれっぽっちも・・・」
「お前等〜!!!我等を無視するなニャット!」
自分達を無視して話を続けるファイター達にブニャットは怒り出した。
「ブニャット様、退却した方が・・・」
「うるさ〜い、退却は認めんニャット!全員かかれだニャット!!!」
ブニャットは退却をすすめるドリュウズ達を黙らせて前線に立ちファイター達と対峙した。
「お前達が出現するとは想定外だったニャット。しかししかし、氷界軍の名にかけてお前達を根絶やしにしてくれるニャット!」
ブニャットは咆哮を上げて、ドリュウズ達と共に襲いかかって来た。
「負けぬぞ!」
義経、そしてミラ、関索、タブンネ、ワルビアル、直虎、カイリューがこれと戦った。
義経はブニャットに切りかかったが、ブニャットは素早い動きでかわしていった。
ミラはドリュウズのドリルライナーを剣でガードした。関索は両節棍で衝撃波を飛ばし、タブンネはドリュウズの攻撃を跳び箱ジャンプでかわし、ワルビアルはかわらわりをしてドリュウズを攻撃し、直虎は背負い投げをして、カイリューはアクアテールでドリュウズを攻撃した。
そして、ミラの魔神剣、関索の強烈回転脚、タブンネのなみのり、直虎のスワローキック、ワルビアルのローキック、カイリューのだいもんじが六匹のドリュウズを倒した。
「たあっ!」
「ブニャ?!」
「義経はブニャットを突き刺すと、空高く投げ飛ばして衝撃波を放ってブニャットを倒した。
「やりました!」
「ワルウ!」
「勝鬨を上げよ!」
義経、直虎、ワルビアル達は勝利を喜んだ。敗れたブニャットは起き上がると、
「不覚を取ったニャット。しかしこれでお前達は我等氷界軍に目をつけられたことになったニャット」
「氷界軍とは何じゃ?」
「この世界に滅びをもたらす軍団!お前達は違う勢力を相手にしたいるようだが、我等もいることは忘れるなよニャット。世界はいずれ、氷に閉ざされ終を迎えるのだニャット!」
不気味な捨て台詞を吐いて、ブニャット達は退却していった。
「氷界軍、一体何の軍なんだ?」
ピットが考えた。
「奴等も追いかけた方が・・・」
「いや、あまり刺激するのは良くない。奴等が何者なのかは気になるが、今はなすべきことをなそう」
ナチュレは今は亜空軍の残党を相手にしようと言ってヒュウ達を制した。目的の地、渓谷は目の前であった・・・。