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スマブラ セカンドストーリー 戦慄の氷界軍
作者: たくと七星  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: スマブラ オリジナル 他社キャラ 夢の共演 アドベンチャー 
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ステージ6「戦場の砦」その四


この話の主人公、エモンガ

一行、エモンガ、ルゥ、お市、郭淮、サザンドラ、リンク、鮑三娘


「ふん、袁紹も大したことはないな」
 不吉な音と共に一人の男が現れた。ギザギザした髪に全身を纏う水色がかった鎧。
「お前は誰だ」
 リンクが剣を取ると男は名乗った。
「私は鍾士季、氷界軍一の選ばれし人間だ」
「その貴方が、私達に何の用です?」
 サザンドラが睨むと、鍾会は薄笑いを浮かべて来た。
「お前達に警告をしに来たのだ。世界はいずれこの私、いや我々氷界軍のものとなる、今の内に無駄な抵抗はやめておけ」
「何を言っているのです、世界の平和のために戦う我々が、貴方がたにそう簡単に降伏すると思うのか!」
「私達が、全力で止めてみせます!」
 郭淮とお市は氷界軍の野望を阻止してみせると言い切った。
「やれやれ、選ばれた人間である私の言うことが聞けないとは、どうかしている負け犬どもだ」
「負け犬・・・?黙ってきいてりゃあ、偉そうな口の聞き方しやがって!選ばれた人間だから何が偉いんだよ!言ってみやがれ!」
「ふん、英才教育を受けた私のもっとも嫌いな性格をしてるな。何とも品のない獣だ、いや、獣に人ほども品格はあるまい・・・」
「てめええええええ!!!!!!」
 エモンガはゲキジョウして、スパークを鍾会に放った。しかし、
「何?!」
 命中したのだが、鍾会には当たった感じがしないのだ。
「ど、どうなっているのです?」
 郭淮は顎を開けて驚いた。
「ふふふ、私がここにいると思ったか?ランプラーの能力でお前達に私の幻影を見せたのだ。来るのなら、私がいる場所へ直接来い」
「何言ってやがる!」
「これを見ろ」
 鍾会は手に持つ水晶玉にある映像を写した。そこに写されたのは、
「ノ、ノコッチ!!!」
 エモンガは愕然とした。水晶玉には、親友のノコッチが体を縛られ捕らわれていたのだ。
(助けてえ〜っ!!)
「ノコッチを、ノコッチを返せ!!!」
「返して欲しいか?ならば暗闇の渓谷まで来るのだな。そこで待っている。逃げるなよ?」
 鍾会は高笑いをして姿を消した。
「くそう、ノコッチが・・・!」
 エモンガは歯ぎしりをして悔しがった。
「お気持ちは解ります、それにしてもあの鍾会と言う男、卑怯ですね・・・!」
 サザンドラはエモンガの肩をたたいて気遣ったが同時に鍾会への怒りに燃えていた。
「・・・・・・」
「郭淮さん?」
 ルゥが郭淮を見ると激しく憤っているのが感じた。
「行きましょう」
「え、今?でも暗闇の渓谷は未開の地って言われてるよ」
 鮑三娘が言った。
「未開の地がなんぞ、たとえ一人でも私は行く!ノコッチ殿がエモンガ殿の友なら私も彼等の友だ!エモンガ殿!」
「う、うお!」
「友を救うお手伝い、協力しますぞ、貴方と私は共に戦う仲間、悪の魔の手からノコッチ殿をごふごふ、ごっふうえっふ!」
 意気込みすぎて郭淮は咳をしてしまった。
「この野郎、死に体な面して嬉しいことを言ってくれるじゃねえか」
 エモンガは感激して嬉し泣きをした。他の仲間達もこれに同調してノコッチを助けると誓い、暗闇の渓谷に向かうのだった・・・。

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