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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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*48*

???.海(小西家のヨット)

  キャビン内・・・ドアの隙間からタイチ達の様子を窺っているモモとリカ。

  階段に置いてあった空き缶をうっかり落とし、慌てるモモ。

リカ「シィー・・・」

ダイチの声「何がパーフェクト間違いなしよ・・・」
  に、耳を傾ける二人。

     ×      ×      ×

  デッキ。
  キャビンの屋根の上に腰掛けているタイチ・・・腕組をしながらドアを踵で蹴っている。

  舵取りをしながら話しかけるダイチ。

ダイチ「港には警察が張り込んでいるんすよ?どうすんの、これから?」

タイチ「(フン)焦るな。イザという時は人質のノドにナイフを突きつけ・・・フフフ」
  と、含み笑いをする。

     ×      ×      ×

モモ「(驚いて)ノッ?!」
  と、声に出しそうになる・・・が、リカに口を押さえられる。

モモ「(小声で)ノドにナイフだって・・・」

  静かに頷くリカ。

     ×      ×      ×

タイチ「誰か手を出そうとしたらガキ共のノドを・・・(クゥーッ)」
  と、首を切るジェスチャーをする。

     ×      ×      ×

モモ「(ヒィーッ)!」

リカ「(ゴクリ)・・・」

     ×      ×      ×

タイチ「心の臓を・・・(グシャッ)」
と、突き刺すジェスチャーをする。
              
     ×      ×      ×

モモ「(涙目で)マジィー?!」

リカ「(頷いて)マジ・・・」
      
     ×      ×      ×

ダイチ「あ、そうか!なるほど、その手がありましたね!流石は兄貴!頭良いぃー」

  屋根から飛び降りるタイチ・・・つかつかとダイチに歩み寄る。

タイチ「(優しい声で)わかったぁ〜?」

  頷くダイチ・・・の両頬をニコニコしながら・・・両手で挟み、パンッ!と思い切り叩くタイチ。

ダイチ「(頬を押さえ)痛ってぇー・・・!」

タイチ「わかったらとっとと舵回さんかいっ!」

ダイチ「兄貴、何処行くの?」

タイチ「小便。ついでにアイツらの様子も見てくる」
  と、ドアに向かう。

     ×      ×      ×

モモ「こっち来る!どうしよう?!」

リカ「落ち着いて。私に良い考えがあるの」

     ×      ×      ×

  一歩一歩・・・ドアに近づいて来るタイチ。
        
     ×      ×      ×

リカ「出来る?」

モモ「う、うん・・・」

リカ「じゃあ、作戦通り・・・合図をしたら・・・」



 デッキを一歩一歩踏み締めて歩くタイチの靴音を聴きながらモモ達はチャンスを待ってた・・・・・・。



     ×      ×      ×

ドアに手をかけるタイチ・・・ガチャッ!
        
     ×      ×      ×

リカ「今よ!」
  と、合図を出す・・・と、同時に勢い良く外へ飛び出すモモ。


   
   

















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