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ガルズモンズ 序章編
作者: たくと七星  (総ページ数: 25ページ)
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第8話「オニキスとの再会、親衛隊の襲撃!」パート2


「ずっと、気になっていたけれど、君もレジスタンスの一人なの?」
「何故、解った?」
「いや、初めて会った時、誰かを探していたようだし、何よりも君が悪い人のようには見えなかったから」
「勘がいいな。その通り、私もレジスタンスの一員だ」
 そう言うと、オニキスは牢獄へ向かう経緯を話し出した。
「レジスタンスのリーダー、コーラルが世界を救うかもしれない人間が囚われていると知らせてな、その人間の救出に向かった際に戦闘になったが、あの時の彼等が守ろうとした人間が君だったと言う訳だ」
「そうなんだ、そう言えば俺・・・」
 よく見ると門人は体を横にしていることに気付いた。頭に柔らかい感触がしている。それもそのはず、オニキスが門人に膝枕をしてあげたからだ。
「ご、ごめん、邪魔だよね。すぐに・・・」
「いや、このままでもいいぞ。君はまだ傷が癒えていないだろう。私の膝でゆっくりしていても構わない」
 すぐに体を起こそうとするが、オニキスは優しい眼差しでそのまま寝てていいと言った。
「でも、君・・・」
「オニキス、そう言ってくれ。私の名だ」
「オニキス、うん。所でオニキス、今、正座の格好してるよね。足は大丈夫?」
「心配ない。まあ、痺れるのは辛いが君のことを思えば何ともない、う・・・」
「やっぱ痺れてるじゃん!」
 門人はすぐに体を起こした。オニキスは両足を伸ばして痺れに耐えていた。
「うう、やっぱり正座は辛いね。20秒ももたないよ・・・」
「大丈夫、ああ、こう言う時は・・・」
 オニキスの足の痺れに門人はどうしたらいいか考える。考えた末、オニキスの両足を揉み始める。
「きゃ、な、何を・・・」
「ごめん、マッサージすれば治るかなって・・、いや、やっぱり迷惑かな?」
「いや、そんなことはない。続けてくれ。早くこれを何とかしたいからな・・・」
 痺れる場所を優しく揉んでいくとオニキスはすっかり気を許して恍惚な顔をしていた。しばらくして、
「ふう、落ち着いた、ありがとう」
「う、うん、どういたしまして・・・」
 ひとまず落ち着くと、門人はあることを話した。
「オニキスはレジスタンスなんだよね。でも、ガーネット達は君のことを知らない感じだったけど、どうしてかな?」
「それは仕方がないさ、私は今まで彼等と会ったこともなければ会話をしたことも無かったからな」
「それは、どうして?」
「私は主に情報の収集や密偵など裏方の仕事が多かったからな。だから彼等も私の存在には気付かず、私自身も一人でいることが多かったからな・・・」
 そう言ってオニキスは空の彼方を見上げた。
「そうなんだ・・・」
「だが、今は誰かと一緒にいたいと思っている。それは誰か解るか?」
「それって、誰のこと?」
「知りたいか、それは・・・・君自身だ・・・」
 クールな表情とは思えない照れくさい顔をしてオニキスは語りだした。
「牢獄でのあの時、君に助けられたな。その時に差し伸べられた手、とても暖かかった。人の温もりがこれほど心地いいものだと初めて知った」
「そ、そうなんだ・・・」
「それから、今までにない感情が芽生えてきてな。これが皆の言う恋だということに気付いたのだ・・・」
「そう、て、ええええ!」
 思いもしなかった言葉に門人は動転してしまった。初対面の時はクールな刺客みたいな人だと思っていたのに、今見るその人はとてもその人と同一人物かと思いたくなるくらい可愛い顔をしていたからだ。
「どうした、そんなにびっくりして、私は本気だぞ。ふふ、私の膝で寝ている君の寝顔、とても可愛かったぞ、しかも20回も寝返りをしていたな・・・」
 門人が寝ていた時の事を恥ずかしがることなく話し、クスクスと笑う。戸惑う門人に視線を合わせると、オニキスはその少年の唇、軽く触れる口付けをした。
「オ、オニキス?!」
「どうした、びっくりして、ああ、そうか、まだ言っていなかったな」
 ハッと気付くとオニキスは門人の耳にこう囁いた。
「私は、君が好きだ・・・。冗談ではなく、本当の思いだ・・・。安心してくれ、これから先は君のことは私が守る。私の命をかけても守り抜いてみせる」
 気が付くとオニキスは門人を強く抱きしめていた・・・。


続く・・・。

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