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第8話「オニキスとの再会、親衛隊の襲撃!」パート5
「助けられたか・・・・」
「オニキス、ごめん。何もしてやれなくて・・・」
「いや、大丈夫だ。君が悪いのではない。君を守れなかった私に責任がある」
門人が謝ると、オニキスは君のせいではないと笑顔を作った。
「でも、やっぱり俺にも責任はあるよ。この石版で仲間のサポートは出来ても仲間がいないと何も出来ない・・・」
自分を責める少年をオニキスは見ていた。彼女はしばらく見つめていると、彼の胸に体を預けた。
「オニキス?」
「君は優しい人だな・・・。私のことをこんなに心配してくれるなんて。嬉しい気持ちで心臓が爆発しそうだな・・・」
「え、まさか、そんな・・・」
「冗談ではなく本気でだ。今まで誰かの伴侶になることに興味はなかったが、君ならいいと思っている・・・」
「へえ、伴侶なん・・・て、えええ?!それって一体何なの?!」
オニキスの台詞に門人は驚いてしまう。先程から彼女が自分に好意を寄せているような台詞を発していたのは解っていたが、こんな大胆な言葉を言うとは思ってもみなかった。苦笑いをする少年だが、オニキスはうっとりして彼を見ている。
「どうした、そんなに笑って・・・。ふふ、私と一緒になれて嬉しいのか?そうだ、これをしていなかったな・・・」
すると、オニキスは戸惑う門人の口に自分の艶のある唇を軽く触れさせた。
「私は、君を、愛している。一人の男性としてだ。心配しないでほしい。これからはどんなことがあっても君は私が守る。この命を犠牲にしても・・・、私は今日から君と夫婦だ・・・」
オニキスは頬を赤らめて視線をそらしつつ門人に愛の言葉を送った。門人は戸惑ってしまう。命を助けた彼女にいつの間にか好意を寄せられてしまい、モンスターの軍団から守られ、成り行きでオニキスに夫婦のイメージを持たれている。そもそも自分には共に歩むと誓った・・・。
ドガアアアアン!!!
「!」
「何だ?!」
突然、何かが砕ける音がした。オニキスは素早く動いて門人を横抱きにして地面に着地し、門人を地面に立たせ、仕込み刀を構えた。
「ガ、ガーネット?」
その攻撃をしてきた相手を見て門人は驚いた。赤いポニーテールに長袖を羽織ってショートパンツにニーソックスを履いた大剣を武器にするガーネットだったからだ。
「彼から、あたしの門人から離れて!!!」
ガーネットは敵意に満ちた目でオニキスを睨みつけ大剣を突きつけた。
「ようやく間に合ったわブヒン!」
「ここまで来るのに時間がかかっちまったぜ!」
アカオークとアカゴブリン、その兄弟姉妹が駆けつける。
「あんた、あたし達の邪魔をするばかりか彼までさらうつもり!」
「誘拐はダメ、絶対です!」
アクアやクリア、そして多くの仲間達が駆けつけてオニキスを取り囲む。
「皆、待ってくれ。彼女は・・・」
「またあんた達か。いきなり何なんだ、夫婦二人っきりの時間を邪魔して・・・」
「へ、夫婦・・・?」
「ど、どゆことなのブヒン?」
ガーネットとアカオークはオニキスの台詞に何のことだと首をかしげた。
「彼と私は夫婦になったのだ。その私達の愛を裂こうというのか?」
「え、え、えええ?!門人、いつからそいつと!て言うかもう結婚しちゃったわけ!」
「遂にやっちまったわね、この色男ブヒン!」
「わわわ、何て言う展開になっちゃったの!」
ガーネット、アカオーク、アクア達は開いた口がふさがらないくらい驚愕していた。
「いや、違うんだよ。彼女がそう思い込んでいるだけであって・・・・じゃなくて、皆聞いて、彼女は敵じゃないんだ!」
「え、敵じゃない?」
「それってどう言う事なんだにゃ?」
ブブとしにたてにゃんこが聞くと門人はオニキスも君達と同じレジスタンスのメンバーの一人なんだと説明した。
「レジスタンスの一員?あんなのいたっけ?」
「さあ、あたしも始めて聞くよ」
「ええ、私も彼女がレジスタンスの一人だなんて知らなかったです」
ガーネット、アクア、クリアはオニキスが自分達の仲間だったのかと初めて知ったような顔をした。
「お姉様、あんなのいたっけ?」
「ううん、そう言えばもう一人メンバーがいるとかいないとか聞いたけどブヒン」
「確か凄腕のアサシンだったって言う噂は聞いたことがあるよ」
ミドリオークが姉のアカオークに聞くとアカオークはもう一人いたような、と頭をひねり、ブブがこんな人だったと話した。
「解りました、信じましょう・・・」
すると、参謀のシオンが門人の話を信じると言った・・・。
続く・・・。