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第10話「決死の救出!放さない永久の人」パート2
「く、こんな所で奴等が・・・」
セルリアンが歯ぎしりをした。他の親衛隊のメンバーが各々武器を取る。
「ひどいぞ、私に何も告げずに勝手に行くなんて・・・」
オニキスが門人に拗ねた顔をして自分を置いていったことを言う。
「ごめん、どうしても助けに行きたくて・・・」
「解っている、あいつは気に食わないが同じレジスタンスの一員だ。戦力が欠けたら君を守れないからな」
オニキスは仕込み刀を抜いた。シオン、ブブ、ペリドット、アクアも武器を取って親衛隊に対峙した。
「門人さん、ここは我々に任せて彼女を」
「私達が足止めしておくから、ガーネットちゃんを助けてあげて!」
「大丈夫、こんな連中に簡単にやられるほど水兵はやわじゃないから!」
「僕、戦闘はあまり得意じゃないけど、皆のためなら全力で戦うよ!」
「皆、ありがとう!」
シオン、ペリドット、アクア、ブブ達に後押しされて門人は急いでガーネットの方へと走った。
「しまった、奴が!」
「させるもんですか!」
セルリアンとミルキーが追いかけようとするとアクアとブブがその前に立ちはだかる。オニキスはヴァーミリアンと対峙した。
「貴様、あの小娘だな。まだ生きていたとはな、今度はその息の根を止めてやる、覚悟しろ」
「覚悟するのは、あんたの方さ!」
オニキスが地面を蹴って走った。刀を振り下ろすと、ヴァーミリアンが剣を盾にして防いで蹴りに出た。オニキスはすぐにバック転してかわし、回し蹴りをした。
「ほらほら、この素早い動きについて行けるかな?」
「く、ごちゃごちゃうるさい奴だ!」
アクアは短剣を振り回して攻撃に出た。セルリアンはその素早さに圧倒されて苛立ちを感じていた。
「とりゃ〜っ!」
ペリドットが弾丸を連射したがビリジアンは剣を回転させてこれを弾いた。
「遠距離で来るなんてさっすが〜、けどそれを防ぐ手もあるんだよねえ」
「ぬぬぬ〜、だったら!」
ペリドットはジャンプして銃を連射した。ビリジアンはびっくりして転んでしまうが、隠れ布をまとった姿を隠した。
「あら〜、可愛い坊やじゃない、どうやっていじめてあげようかな〜、うふふ・・・」
「う、うるさい!坊やって言うな!」
ミルキーの挑発にブブは怒って、炎の魔法を飛ばした。
「きゃは、ムキに怒っちゃって〜、まだまだ坊やね!」
ミルキーが鎖分銅を飛ばして来た。ブブは避けて、地面を叩いて衝撃波を飛ばした。
「ガーネット!」
遂に門人はガーネットの所へたどり着いた。
「門人・・・」
「今、自由にしてあげるね」
シオンからもらった水晶からムチが飛んでガーネットを拘束する鎖を砕いていった。
「ありがとう!」
ガーネットが門人に駆け寄ろうとした。しかしヴァーミリアンがそれを見逃さなかった。
「く、小娘が!させるものか!」
焦ったヴァーミリアンは剣から衝撃波を飛ばした。
ドカアアアアン!
「きゃああああああ!」
爆風に巻き込まれてガーネットが崖から転落した。
「ああ、ガーネットちゃんが!」
ペリドット達が動揺する。門人は無我夢中で走り出した。そして崖から飛び降りて、落ちていく彼女を落下しながら抱き締めた。
「門人?!」
「ガーネット!」
落ちていきながらもガーネットは涙を流して言った。
「どうして、これじゃ貴方も命を落として・・・」
「それでも、君を犠牲には出来ない!だって君は、俺に大切なことを教えてくれたから、そのお陰で俺は人を信じられるようになったんだ。君は俺にとってかけがえのない人だ!」
「門人、嬉しい・・・。でもこのままじゃ・・・」
門人の思いを聞いてガーネットは嬉し涙を流す。しかし崖の底へと落ちていくことには変わらない。レジスタンスのメンバーが絶望し始めたその時、
「ギャシャオオオオ!」
空からあの赤い竜が飛んで来た。そして門人とガーネットを背中に乗せてキャッチする。
「う、うううん」
「ここは・・・」
門人とガーネットが目を開くと、竜の鱗のような皮膚が見えた。
「大丈夫だったかい、お二人さん?」
すると、竜が二人に話しかけた。
「貴方、喋れるの?!」
「他のモンスターだって喋れるんだから珍しいことでもねえだろ、安心しな、俺もレジスタンスの仲間さ。取り敢えず、ここを抜けるぜ!」
ドラゴン、ドレイクは羽ばたくと、親衛隊目掛けて火炎弾を飛ばして来た。
「ぐわ、こいつはあの時の?!」
「くうう、邪魔者が入るなんてええええええ!」
ヴァーミリアン、ミルキー達は爆風に巻き込まれる。その間にシオン等レジスタンスのメンバーが一斉にドレイクに乗って行った。
「それじゃあバイバイ、親衛隊の皆さん、ブヒン!」
「ばいにゃら〜っ!」
アカオークとしにたてにゃんこが手を振った。
「おのれええええええええ!!!」
親衛隊達の悔しがる声が砂漠にこだまするのだった。
そして空の上空。ドレイクが羽ばたいてメンバーを乗せていた。
「ありがとう、君には何度も助けられたね」
門人がドレイクにお礼をした。
「ああ、その分、報酬はお高くつくぜ」
「え?!」
「へへ、冗談さ。コーラルの頼みで来てみたらお前等がやばそうでよ、わざわざ言って正解だったぜ」
「それで、君はどこへ飛んでいるの?」
「そんなの言うなよ。お前が目指す場所はもう見えてるだろう、ほら、あれだぜ!」
ドレイクが下を見るよう首を動かした。門人達が見てみると、そこにはある街があった。
「付いたぜ、あそこにレジスタンスのアジトがある。さあ、しっかり捕まりな!」
ドレイクがレジスタンスのアジトへ急降下した。
「うわ、早いな!ガーネット?」
門人が見ると、ガーネットは頬を赤くしていた。
「門人、助けてくれてありがとう。私、本当に嬉しかったよ。これからも私はずっと貴方の側にいるね・・・」
ガーネットは門人の背中に抱きついて、その頬に軽く触れる口付けをするのだった。レジスタンスはもう目の前である・・・。