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第4話「脱出間近、オニキス登場!」パート1
「きゅううううん!」
牢獄の脱出中、はぐれオオカミ達の群れが現れた。ガーネット達はその群れを蹴散らしていく。掃討した後、一匹が門人達に近付いてきた。
「貴方達、強いです・・・。それほど強いなら、僕のお母さんも見つけられるかも・・・。僕も仲間に入れてください!」
はぐれオオカミが頭を下げて頼むと、門人達は快く受け入れて仲間にするのだった。
「やっと出れた!」
「あー、晴れやかな太陽の光だわブヒン!」
「牢獄の中はとても寒かったですからね。レジスタンスに戻って、温かい紅茶とお茶菓子にマロングラッセでも食べたいですね」
遂に門人達は牢獄の外に出ることに成功した。ガーネットとアカオークは背伸びをして陽の光を浴びていた。シオンはマロングラッセの味を思い出していた。
「・・・・」
「どうしたの、門人?」
門人は空を見渡していた。牢獄の中では解らなかった。自分のいた世界とは違う、違う世界の空と景色をつぶさに見ている。
「ここが、君達の世界・・・」
「そうです〜、僕達が暮らしている世界の空でモッチ〜」
門人が感慨深くなっているとアブリモッチが跳ねてこの世界の空を話した。
「お〜い!」
すると、向こう側から誰かが走って来た。
「あ、来たね!」
ガーネットは彼等に気付いて手を振った。他の仲間たちも同じである。やって来たのは黄緑の征服にイタチを連れたライフル銃を担いだツインテールの少女、ペリドット。
小柄な体には合わない白い長袖を来た、赤髪に短パンを履いた助手のブブ、いかにも医者の格好をしているが背中には歯の治療用具を背中に背負った助手のフロスティ。そして水兵のアクアと看護師のクリアである。
「ペリドット、待たせた?!」
「ううん、平気だよ。それでガーネット、探していた選ばれし人間は見つかった?」
「うん、見つけたよ。彼がそう」
ガーネットがそう言って門人をペリドット達に紹介した。
「この人が〜、何か普通っぽいね」
小柄なのかその少女、ペリドットは門人の廻りをクルクル回って、青年を見ていた。門人は普通と言われて心が落ち着かなかった。
「な〜んだ、もう少し頼りがいがある子かと思ってたけど、これといった特徴がないね」
水兵のアクアはつまらなそうな顔で自分がイメージしていた人と違うと肩を落とした。
「アクアさん、そう言わないであげてください。よく見ると彼、純真そうですよ。私達が守ってあげたくなるくらい」
看護師のクリアはか弱いからこそ自分達で守ってあげないといけないと言った。
「まあ、僕達皆が揃えばもう大丈夫だよ、後はレジスタンスを目指すだけだね」
「うん、帰ったら早速彼の歯の治療をしないと」
ブブは自信ありげに言って、フロスティは背中に背負ったアームで釣られた治療用具を動かせていた。
「うわあ、何か怖いなあ・・・」
「フロスティさん、怖がらせちゃダメでしょ、フロスティさんの歯の治療は危なっかしくて危険だからね・・・」
門人が不安な顔をした。ブブに注意されてフロスティはガックシと落ち込んでしまう。
「何はともあれこうして牢獄を出たのです。後はただ、ここを脱出するべく走るのみです」
シオンの言葉に全員が頷いた。そして一行は走り出す。
「お兄さん、お兄さん」
「何?」
「ガーネットちゃんが言う選ばれし人間だよね、それじゃああたしとも仲良くしようね!」
ペリドットは無邪気な顔で門人に語りかけた。彼女の表裏のない純粋さに門人は妹のような可愛い存在と思ってしまっていた。
「待て!」
突然、何者かが一行の前に現れて立ち塞がった。
「?!」
「ちょっと、何なのブヒン!」
ガーネット、アカオーク等は足音を止めた。目の前には胸元を開いたライダースーツに紫のブーツ、水色の短髪で手に仕込み刀を持った少女が一行の前に立ちはだかっていた。
「あの人は、誰、レジスタンスにいたかな?」
「う〜ん、見たことがないね。始めて会うよ」
ガーネットが聞くとアクアは見たことがないと首をかしげた。
「私はオニキス。密命を帯びてある人物を探していた。邪魔をするなら全員倒すまでだ!」
オニキスは素早く動いてガーネット達に襲いかかって来た。
「うわあ!」
オニキスはジャンプして飛び蹴りをしてきた。ガーネットは大剣を盾にしてこれをガードした。オニキスは反転して着地した。
「何が何だか解らないけど、倒すしかないね!行くよ!」
ガーネットは走って大剣を振り回して切り付けに出たがオニキスはバック転してこれをかわした。そしてすぐに回し蹴りに出た。
「うわ、こいつ動くの早い!」
ガーネットはこれを避けて自身もキックに出た。オニキスもキックに出てぶつかった。
「よし、これ!」
ガーネットが大剣で攻撃に出た。
「遅いね!」
オニキスはジャンプしてガーネットの大剣に乗った。
「え、あたしの剣に?!」
「くらえ」
オニキスが回し蹴りでガーネットを転ばせた。
「きゃあ!」
「立ち回りが遅いね、あんた」
オニキスは仕込み刀の鞘を抜いて斬りかかってきた。
「こいつ、早い、早すぎるよ!」
ガーネットは切り裂きをかわしてオニキスの腕を掴んでしのごうとした。しかし、オニキスに足払いをされて転んでしまう。オニキスは馬乗りになってガーネットを刺そうとした。
「大変だ、ガーネットが!」
「あたしが行くよ!」
門人が慌てると、ペリドットが助けようと銃を構えた。オニキスはこれに気付いて素早く反転した。
「こうなったらアタチ達が行くわよ!」
ペリドット、アカオーク、アオオーク、ミドリオーク、アクア、フロスティが走り出してオニキスに向かった・・・。
続く・・・。