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作者: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (総ページ数: 23ページ)
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第1章第3話;「メゾン・ド・セグレート」 【携帯。】
「「「……。」」」
どうしてこうなった?
およそ2時間前――。
今日は、携帯を買いに行って、食器と家具を選びに行こう。
「よぉ~藤花。どこ行くの?」
「……買い物だけど。」
「俺たちもついてっていい?」
こいつもと後ろにいる九条君を指す。九条君は気まずそうに頭を下げる。
なんで僕もついていっていいのか?とブツブツ言っているが藤谷に頭を撫でられ真っ赤になって子供扱いしたな!!と言っている。
九条君って意外とあざとい部分の方が多いと思ってたけど、身長が絡むと単純になるよね。
なんかおかしいなぁ、これが世にも言うギャップ萌え……?
携帯、種類多い……。
「機種はこの機種がおすすめだ。」
と九条君が持ってきた機種は使いやすそうだった。
「……選んでくれてありがとう。」
「あぁ。」
家具も食器も買えたし帰ろうかな。
「あ~藤花もう帰るの?ちょっと待って、聞くから。」
何を?誰に?
「――うーん、うい。もういいって帰ろう。」
「だな。」
帰るのに何があるのかな、なんてずっと考えてた。
そうしてたら、あっという間に秘密館に着いていた。中に入ろうとしたら…。
「あー、待って。総司、藤花。ケータイ買ったんだろ?交換しようぜ。」
交換?みんなと?えっと、どうやってやるんだっけ。
「こうするとできるんだ。」
素早い手つきで私の携帯を操作する。え?教えてくれた…?
「僕と同じ。」
そう言って、自分の携帯を見せてくる。
ピロンっ!!
「これで、完了だ。」
▶登録された人のお名前を教えて下さい。
「総司。俺の事、お兄ちゃんって登録して?」
「え、嫌だ。」
→九条君。
→藤谷。
▶これでいいですか。
「なんて登録した?お兄ちゃん、妹って登録したけど?」
だから誰がお兄ちゃんだって?
と思いイラっときたから教えてやらなかった。
パタン。
「藤花ちゃん!」
パン!!
何かが弾ける音がした。頭に…。
触ってみたらビニールを細く切った色のついたものが頭に乗っかっていた。
クラッカー?
周りを見渡してみると――。
『藤花ちゃん、総司。歓迎会!!』
と書いてあった。
歓迎会――。
「ありがとう。」
その言葉を言った瞬間、ジーンと目頭が熱くなって思わず顔を手で隠してしまう。
藤谷がポカ—ンしていたが嬉しそうに赤くなって喋り始めた。
「…っ。藤花が素直になった!!」
藤谷がきゃー!と叫ぶと北小路さんがうるさい!と叱る。
しかも、うるさいと叱っている北小路さんも赤くなって私に微笑みかける。
なんか、恥ずかしい……。
そう思って後ろを向いてもう一回みんなを見ると、心が温かくなった。
暖かいな――ここは。