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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 25ページ)
関連タグ: メイドウィン小説SEASON3 ウマ娘 たぬき要素有り オリキャラ
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【第四話】
「………う、SPの私が何故人探しなど」
「文句を言うな、貴様は護衛人である以前にトレーナーだ」
トレセン学園生徒会はプロジェクト・シンギュラー遂行の為、深い絆で結ばれたトレーナーとウマ娘を探し、西園寺とエアグルーヴは今も探していた
しかし西園寺は不満げに眉間にシワを寄せていた。
「……むぅ、確かにそうですが……」
「だが、今の貴様にそれが出来ないことは分かっている……そこで、私の方から目をつけているやつが一人いる」
……
「シンコウウインディ?そんな人居るんですか」
「そうだ、私として見れば日頃から軽い問題を起こしているような奴だが……最近、奴のトレーナーになったレラン・アンシュという男は評判がいい」
「おや、どんな人なんですか?」
「まぁ、一言で言うならよく出来ただな。それに仕事熱心な男でもある。その証拠に今朝も校門前を掃除している姿が目撃されている。」
「それに……あの我々では手が付けられないウインディをしっかり扱って指南している、仕事面、人間性…共に欠点の見えない男だ」
エアグルーヴの言葉を聞いて少しだけ興味を持ったのか、西園寺の目付きが変わった。
そして、ある場所にて……
「グラウンドでも部室でもなくこんな学校の裏…?何故こんなところへ」
「この辺りは校舎が日陰になり視界が悪い…あの土の跡を見て何か分かるか」
「何かを掘り返した跡ですね、草が全然生えてないということはこれを何回も繰り返したとみますが」
「そうだ、ここはあいつが落とし穴をよく
掘る場所でな。」
「なるほど、だからここに来ることが多いと」
二人は地面の跡をなぞるようにして進みながら捜索する。すると、遠くの方でバシャッと水の跳ねるような音が聞こえた。
西園寺とエアグルーヴはその音に反応して、互いに見合わせると足音を忍ばせて近づいていく。
その時だった、西園寺の足元がツルリと滑ってしまい体勢を崩した。
慌てて態勢を立て直そうとするが、時すでに遅し……西園寺は穴に落ちていった。
「おい、たわけ!」
「はーっはっはっは!遂に引っ掛かったのだ!」
と、西園寺が落ちたのに反応してウマ娘が飛び出してきた、彼女がシンコウウインディだ。
「ウインディ……貴様また…」
「さて、どんな奴が落ちたのか確かめてやるのだ」
シンコウウインディが落とし穴を確認するが、そこには靴が入っているだけだった。
「あれ」
「こっちですよ」
シンコウウインディが気がつく間もなく、西園寺が背後に回りリボンで拘束する。