コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Enjoy Club  =第1章完結=
日時: 2013/06/23 07:18
名前: 友桃 (ID: KZXdVVzS)
参照: http://www3.plala.or.jp/banisingukyanon/

あるとき、世界に謎の薬品がばらまかれた。
数年後、不思議な能力を身につけて生まれてきた子供達。彼らは仲間を求めて、ある結社に集結した。
彼らと接触した女子高生・亜弓は、結社内の混乱に次第に巻き込まれていく——

ファンタジー&シリアス要素ありのラブコメです!




クリックありがとうございますm(__)m

はじめまして、友桃(ともも)です^^
初投稿です>< 長編になるのですが、ちょっとずつ更新していきたいと思います。

よろしければ読んでみてください^^


*参照はHP(Enjoy Club保管場所)です。このスレのものを修正したやつを、縦書き改行無しバージョンで載せていくのでよろしければのぞいてみてください。※ただいま更新止まっております


*たまに記事のNo.飛んでいるところがありますが、残りの返信数を増やすために必要ない友桃のコメントを消しただけなので気にしないでください^^



〜お客さま〜
・花見さん ・かれーらいすさん ・十六夜さん ・貴也さん 
・勿忘草さん(亮さん、扉さん) ・咲さん ・gojampさん ・詩音さん 
・セピアさん ・杏樹.さん(真白ちゃん・そふとくりーむさん) ・ハッチしゃnさん ・ARMAさん
・遮犬さん ・ひろあさん ・白桃さん ・ゆかさん
・aguさん ・皐月凪さん ・(朱雀*@).゜さん ・奈々☆さん
・ 蘭*。*さん ・山口流さん ・トレモロさん ・紅蓮の流星さん
・或さん ・ (V)・∀・(V)さん(十六夜さん) ・もちもちさん ・夜兎さん
・むーみんさん(椎奈さん) ・未来さん ・ゲコゲコさん ・てるてるさん
・こたつとみかんさん ・星ファン★さん ・そらねさん ・希蘭さん
・Eternalさん ・羅希さん ・霧雫 蝶さん ・あらびきペッパーさん
・抹茶.(小豆.)さん ・野宮詩織さん ・、璃瑚. さん ・ののさん
・友美さん ・亜美さん ・蜜姫. さん ・ネズミさん
・月読 愛さん ・紗夢羅さん ・黒揚羽さん ・優香さん
・ぱちもんさん ・Lithicsさん ・苺莢さん

読んでくださってうれしいですv ありがとうございますm(__)m



〜登場人物紹介〜

・友賀 亜弓 Tomoga Ayumi……主人公
・荒木 恵玲 Aragi Ere
・紫苑 風也 Shion Kazaya

・ウィル=ロイファー
・有希 白波 Yu-ki Shiraha
・棚妙 水希 Tanadae Mizuki

・芝崎 功 Shibasaki Kou
・月上 有衣 Tsukigami Yu-i
・三和 伸次 Miwa Shinji
・蓮田 夜ゑ Hasuda Yoe

・谷田 津波 Tanida tsunami
・沢田 美久 Sawada Miku
・幸崎 静音 Ko-saki Shizune
・町田 美沙 Machida Misa
・小松 幸道 Komatsu Yukimichi

・大崎 影晴 O-saki Kageharu
・天音 Amane
・天銀 Amagane


〔後半から登場or2章メイン登場〕

・篠原 扇 Shinohara Ougi
・安藤 園香 Andou Sonoka
・富永 春妃 Tominaga Haruhi
・神崎 迅 Kannozaki Jin

・風香 Fu-ka
・友賀 葵 Tomoga Aoi


*あだ名>>48



〜目次〜

<第1章>

プロローグ >>0

第1話『謎の闇組織E・C』
(1)>>1 (2)>>2 (3)>>3 (4)>>5 (5)>>6 (6)>>10 (7)>>11 (8)>>13

第2話『金髪のキミにひとめ惚れ』
(1)>>25 (2)>>30 (3)>>40 (4)>>46 (5)>>49 (6)>>50

第3話『我ら、麗牙光陰——』
(1)>>57 (2)>>58 (3)>>64 (4)>>70 (5)>>81 (6)>>86 (7)>>88,>>89 (8)>>98 (9)>>104,>>105 (10)>>108

第4話『あなたのために……』
(1)>>111,>>112 (2)>>120,>>121 (3)>>130 (4)>>136 (5)>>147 (6)>>152 (7)>>157 (8)>>166 (9)>>172 (10)>>180 (11)>>184 (12)>>188

第5話『不確かなもの』
(1)>>212,>>213,>>214 (2)>>256 (3)>>268 (4)>>285 (5)>>291 (6)>>306 (7)>>332,>>333 (8)>>346,>>347 (9)>>357,>>358,>>359 (10)>>370,>>371

第6話『衝撃のとき
(1)>>397 (2)>>413,>>414 (3)>>425 (4)>>447,>>448 (5)>>474,>>475,>>476 (6)>>486,>>487 (7)>>518,>>519,>>520 (8)>>534 (9)>>557 (10)>>568 (11)>>576 (12)>>599 (13)>>627,>>628 (14)>>648 (15)>>696,>>697,>>698 (16)>>708,>>709,>>710

第7話『友を取り巻くモノ1』
(1)>>721 (2)>>726,>>727 (3)>>750,>>751 (4)>>784,>>785 (5)>>798 (6)>>813,>>814 (7)>>870,>>871 (8)>>>889,>>890

第8話『友を取り巻くモノ2』
(1)>>893 (2)>>901,>>902 (3)>>905,>>906 (4)>>910,>>911,>>912,>>913,>>914 (5)>>918,>>919 (6)>>923,>>924 (7)>>926,>>927 (8)>>931,>>932 (9)>>934 (10)>>936

第9話『混乱の夜明け』
(1)>>940,>>941 (2)>>945 (3)>>949 (4)>>955,>>956

エピローグ>>962

*初めて来てくださった方、できれば目次から行かないでコメも含めてよんでほしいです><
途中でキャラのプロフィールと絵がでてくるんで^^ てか某友人の書いたキャラ絵、神なんでv←



〜企画〜

≪第1回キャラ人気投票≫ 2010.8.27〜
 結果>>225

≪第1回シーン人気投票≫ 2010.923〜
 結果>>511

≪☆お客様方の小説紹介☆≫
第1弾 返信300突破記念 2010.9.25 >>304
第2弾 参照2000突破記念 2010.10.11 >>460
第3弾 参照3000突破記念 2010.11.18 >>661

≪返信400突破記念*E・Cラジオ*≫ 2010.10.6〜
NO.1 亜弓&恵玲 >>422
NO.2 恵玲&風也 >>495
NO.3 ウィル&白波 >>587
NO.4 亜弓&風也 >>676
NO.5 水希&茜 >>852

≪返信500突破記念 =キャラQ&A=≫ 2010.10.17

≪参照4000突破記念 =キャラ誕生秘話=≫ 2010.12.9
NO.1 >>743 NO.2 >>748


≪ Enjoy Club名言集*。* ≫ by杏樹.さん  2010.9.25・26・28
杏樹さんがつくってくださいましたーv
ネタばれになるんで本編一通り読んでから、ぜひご覧になってください^^♪
杏樹さん本当にありがとうございました!!!

第1弾>>317 (友桃コメ>>319
第2弾>>338  (友桃コメ>>341)
第3弾>>362 (友桃コメ>>364


≪E・C(1章)紹介文≫ by ARMA3さん 
>>992 2013.1.27


≪Christmas Short Story≫ 2010.12.19
>>773,>>774

≪Happy Birthday≫
・5月…… (朱雀*@).゜.さん
・11月17日……杏樹.さん >>654

みんなでお祝いしましょ♪


*2010年冬・小説大会 コメディ・ライト小説大賞受賞。
*2011年夏・小説大会 コメディ・ライト小説銀賞受賞
みなさま、ありがとうございましたm(__)m

*2011.5.4 第一章完結





=Enjoy Club=



第1章




—プロローグ—



——熱い


 燃えるように、煮えたぎるように身を焦がしていくモノは、先程注入した薬品か、はたまた我自身の高揚か……。体内に何か不可視の力がみなぎってくるのを、今全身で感じている。
 目の前の金属の台に置かれているのは、たいていの科学者が用いているだろう多量の実験器具。その透明なガラスには幾色もの液体が沈み、わずかな振動で波紋を描いている。その隣には、青白い液の残った注射器が無造作に転がっていた。
 興奮に身を震わせる私の隣に、線の細い少年が音もなく歩いてきて足を止めた。

「……」

 台上の液体を見つめる顔は冗談でも健康的とは言えず感情も感じられないが、よく見るとまだ幼いことが分かる。眠っていないのか、黒くくすんだ眼元をごしごしとこすり、彼は黙って私に視線を向けた。

「君のお陰だ。君が手伝ってくれたお陰で、ようやく完成した……!」

 この試みを始めてから8年という時が経過していた。寝る間も食う間も惜しんで、器具と薬品と毎日、毎日にらみ合い、無数に思えるほどの液体を調合し、実験をし、数値を示して再び薬品とのにらめっこ。長い、長い時だった。しかし何の組織にも属さない、2人というごく少数の科学者が8年で実験の成果を出す、ということは、あるいは幸運なことなのかもしれない。たった8年だった、というべきなのだろうか……。
 何にせよ、実験は成功したのだ。私の努力がついに実を結んだのだ!
 現実であることを確かめるように両の拳を力強く握ると、先程まで無言だった少年が、まだ声変わりしない声で囁くように言った。

「ぼく、……少しは“かげはる”様の役に立てた……?」

 彼の至極純な気持ちが伝わってくる。はっきりと頷いてやると、少しはにこりとするかと思ったが、ごく僅かにも表情は動かない。

 ——この子は今何を感じているのだろうか

 長きにわたる研究によって身に宿った、“透視”の能力。あらゆる障害物を無にし、普通視界に入るはずの無いはるか遠くにあるものをも見ることができる能力。しかしこの能力を持ってしても、人の心は、——彼の心は覗けない。


「——天音」


 私は少年の目を覗き込んで、そう呼んだ。

「私と同じ、能力者になろう。そしていつかはこの薬を世界中にばらまいて——……」

 試験管の中の色とりどりの薬品。それぞれが異なる性質のものであり、体内に入れたときにどのような能力を発するかは、今の段階では未知である。しかし、だからこそ、私は興奮するのだ。未知のものを追いかけたくなるのだ。

 天音が一番手近にあった、桃色がかった液体を手で示す。私は満足感に笑みを浮かべた。

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Enjoy Club 第5話『不確かなもの』(9) ( No.358 )
日時: 2010/09/28 17:19
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KnqGOOT/)


 ぽかんと口を開けて見つめるだけの私に、なぜか彼女はとてつもなくご機嫌な様子で近付いてくる。目の前まで来ると、ヒールのせいもあるだろうが、彼女がすらりとした長身の女性だということがとてもよくわかった。

「そっかあ……。お前ってもしかしてこの辺に住んでんの?」
「えっ、あ……風音、に住んでます。……ここどこか全くわからないんですけど」

 口にした途端恥ずかしくなって、慌てて目を伏せる。

 不思議と黒々とした嫉妬の感情は、それほど湧いてこなかった。おそらく目の前の美女から、真っ直ぐとした正直な感情しか伝わってこなかったからだろう。裏をこれっぽっちも感じさせない、言ってしまえば無邪気な声音と表情が、私の警戒心をほとんど解いてしまっていた。

 突然迷子発言をした私に、彼女はちょっと目を丸くしただけで嘲るような感情は一切見せない。

「風音だったらあっちに行けばすぐ帰れるぜ。ここ暁の風音側だし」

 それを聞いて、私は大いに安心した。風音と暁は隣町で、私の家はちょうど境界線近くに位置しているのだ。

 ライバルに頭を下げてお礼を言った私は、そこでうつむいたまま固まってしまった。突然迷いが生じたのである。風也のことを切りだすかどうか、ということで。

 不意に、今までパラパラと体に当たっていた雨粒がおさまったような気がして、私は目を瞬きながら顔を上げた。目の前の女性が傘を半分分けてくれていたのだ。

「あ、ありがとです……」

 正直驚いて小さな声でお礼を言い、私は思い切って話しかけてみた。

「あのっ、お名前聞いても……いいですか?」

 年上というだけで、体に緊張が生じる。しかし彼女は、にっと白い歯を見せて快く答えてくれた。

「そーいや言ってなかったな。アタシは月上有衣! 下橋に住んでる花の女子大生だぜーっ! まぁ年下の奴はだいたい“有衣ねーさん”って呼んでくるから、そう呼んで」

 堂々とした口調。迷いの無い声音。自分への自信に溢れているような、そんな女性だった。それなのに、全く嫌味には聞こえない。むしろこの豪快さが気持ちいい。

 やっぱり下橋の人かと思いながら、私も当然の行為として自分の名前を告げると、有衣はなぜかニヤニヤと楽しそうな笑みを口元に広げ、ひらりと手を振った。

「あぁ、知ってる。よ〜く知ってる。顔もプリ見てたからバリバリ覚えてたし」

 ハッとして、ついさっき彼女が突然私の名前を呼んできたことを思い出す。そして同時に私は、「ん?」と首をかしげていた。今の彼女の台詞を幾度も頭の中で繰り返して、軽く眉をひそめる。

「どうして知ってるんですか……? てかプリって……」

 すると有衣は心底意外そうに目を丸くして、さらりと驚きの発言をしたのだ。

「どうしてって……風也に見せてもらったんだよ」

 あっさりと出てきてしまったその名前に肩がピクリと反応するが、それ以上に彼女の台詞自体が私の頭を混乱させる。

 普通、見せるだろうか。学校の女の子と撮ったプリクラを、付き合っている女の子に……。しかも“よく知ってる”と言うほど、話すだろうか。
 加えて不思議なのが、有衣の表情。すがすがしい笑顔全開の、裏の無い表情。怒りも嫉妬も、そういう感情が何一つ見えない。

 風也の行動が理解できなくて黙りこくってしまった私に、彼女はさらに頭を悩ませる発言をしてくれた。

「てか亜弓、お前メール返してやれよー。まぁアイツそんな強制する奴じゃねぇから即刻返せとは言わねぇけど、さすがにあんな返ってこないと具合でも悪いのかって心配するぜ?」
「……え?」

 ようやく掠れた声が漏れた。

 期待が、わずかな期待が心の隅に生じ、色を失っていた頬に赤みが戻ってくる。口元に運んだ右手が小刻みに震えた。

「あ、あの……っ」

 揺れる声で気を引くと、私は体中にたまっていた感情を吐き出すように、思い切って声を飛ばした。

「彼女じゃ……ないんですか……!? 風也、の……っ!」

 それを口に出しただけで目頭が熱くなる。ギュッと唇を噛んで涙をこらえながら、真っ直ぐに彼女を見た。

 今度は、有衣が黙る番だ。それこそ目を点にして固まってしまっている。
 待っていてもなかなか返事が返ってこないので痺れを切らして口を開こうとすると、同時に有衣は強く眉根を寄せて、戸惑いを隠せないといった風に顔を歪めた。そして突然ガシッと私の両肩をつかんで真正面から私を見すえる。彼女の手から、さびしい音を立てて傘が滑り落ちた。

「彼、女って……誰が!? ……アタシがっ!?」

 急に肩を強くつかまれた私は、心底驚いて彼女の焦りに満ちた顔を凝視した。勢いに押されて、こくこくと何度も頷く。

「ち、違うんですか!?」
「違うっ!!」

 彼女は一瞬たりとも間もおかず、はっきりとそう言い切った。

Enjoy Club 第5話『不確かなもの』(9) ( No.359 )
日時: 2010/09/28 17:26
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KnqGOOT/)

 思いっきり全力で叫ばれ、私は頭の中がフラッシュがかかったように真っ白になり、ついで一気に全身から力が抜けるのを感じた。持ち上げていた腕が、気が抜けたようにゆっくりと落ちていく。そしてさっきまで一生懸命こらえていた涙が、せきを切ったように流れ出した。本当にあの日から私は泣いてばかりである。
 有衣が唖然として見つめる前で、私は両手で顔を覆ってその場にしゃがみこんだ。隣に彼女も膝を曲げて、がたがたと震える背中を優しくなでてくれる。しかしその声は、酷く切羽詰まったものだった。

「なんでっ、……なんでアタシだと思った!?」

 私は促されるままに、この間見た光景を彼女に伝えた。風也と有衣が並んで歩いていたこと。とても親しそうで、うらやましいくらいにお似合いの2人だったこと。しゃくりあげながらだったので、ちゃんと通じたかはわからないが。

 すると彼女はおでこに手をやって、しまったという風に「あ〜」と声を上げた。私は疑問符を浮かべて、涙でぬれた顔を彼女に向ける。有衣は本気で困ったという感じの途方に暮れた表情で、ボリュームのある髪をくしゃくしゃとかき回した。

「確かに仲は良いよ? よく遊び行くし。でもさ、そういうんじゃねーんだよ。なんつーかケンカ友達っつーか。……むしろ、姉弟(キョウダイ)みたいな?」
「姉弟……?」

 予想外の単語に思わず口をはさむ。対して有衣は大きく頷いて、

「そ、姉弟。まぁあっちはアタシのこと姉貴だなんてこれっぽっちも思ってないだろうけど」

にっと再び歯を見せる。

「とにかくアタシらお互い遠慮無しなんだ、良い意味でも悪い意味でもな。思ったこと、全部言っちゃうんだよ。……そのせいでケンカ友達っぽくなっちゃってるんだけど」

 ぽかんと口を開けて彼女の話を聞いていると、有衣は一瞬ためらうような顔をして言いにくそうに事実を告げた。

「……まぁ、元カノではあるけど。でもなんか恋人って感じじゃなくね?ってなった上に、周りからもカップルっぽくないって言われて結構すぐに別れたよ」
「カップルっぽくないって……」
「話してる感じからして甘い雰囲気じゃねーの、アタシら。見ればたぶんわかるよ。明らかカップルじゃねぇから」

 はぁっとため息をついて有衣は勢いよく立ち上がった。私もごしごしと目元をこすってゆっくりと腰を上げる。

 突然色々な話を聞かされて、頭の整理にしばらく時間がかかりそうだ。
 相変わらずパラパラと降っている雨が、私の感情を冷ましていくようだった。まだ呆然としている部分はあるものの、ここ最近の中では1番気持ちが落ち着いている。

 ぼうっとあらぬところを見つめる私に、ついさっきまでライバルだと思っていた彼女が、再び傘をかざしてくれた。そして励ますようにバシッと私の背中をたたくと、口端を釣り上げウインクをする。

「まっ、そういうことで、アタシは2人を応援してる側なんだぜ! いや、この前のことはマジ悪かったけどさ。ダチとしてのつもりだったから、完全に」

 嬉しすぎて口元が緩むのを押さえながら、私はふるふると首を振った。

「いえ、私の勘違いですから。それに、友達と遊ぶのもダメなんてさすがに言う気はないのです」
「マジで!? じゃあアタシ、ダチとしてなら遊んでもいい!?」

 私が頷いて、「でも私付き合ってないんで、こんなこと言う権利ないんですけど」と呟くと、有衣はガッツポーズついでにお腹を抱えて爆笑した。全身で笑うと言った方が適切なんじゃないかと思うくらい、大胆な笑い方である。
 それを見て私もつい笑みがこぼれてしまった。こんなにも人の目を惹く美女が大口を開けて遠慮なく笑い声を上げるなんて、誰が予想するだろうか。本当に、予想を壊すように覆してくれる人である。

 「ほんとお前らいつ付き合うんだよ—っ」と笑い混じりに言いながら、たっぷり1分。ようやく彼女の笑いの発作はおさまった。ちょっと名残が残っているが、乱れた息を整え、最後に大きく息をつく。
 それにしても、とどこか遠くを見つめて呆れたような声で言った。

「亜弓みたいないい奴泣かせて、ほんっとどうしようもねー奴」

 あはは……と空笑いで答えると、彼女は深く息を吸い込んで、

「マジ何してやがんだ! あンのバ風也——!!!」

ものすごい声量で叫んだ。

 “バ風也”という呼称についくすっと笑みをこぼしてしまった私の背後で、ザッと湿ったコンクリートの地面をこする音。

「ユウ、てめぇ全部聞こえてんだよ、ボケッ」

 耳慣れた声に、ハッとして思わず振り返る。

 そこに、絹のような金髪から滴を滴らせ、肩で息をした、紫苑風也その人が立っていた——


Re: Enjoy Club ( No.360 )
日時: 2010/09/28 17:51
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KnqGOOT/)


花見さん>

全身打撲っ……ww 笑いましたww
たしかに他の人だったら危なかったですね^^笑

風也が好評だ〜^^ 
良かったです♪ 彼今回手ぇ出してないですからね(笑
えれさまの一方的なキレww笑

はいwwあーちゃん傷つけるとえれさまキレますww(ぇ
風也もキレたらヤバそうですね(爆

コメありがとうございましたっ///


ARMAさん>

えれさま半端ないですよ、ほんとww←←
絶対敵に回したくないタイプですね(ぇ

残念ながらその後のえれさまと風也は省きます!!←←
えれさまが色々話して風也が屋上飛びだしてくだけなんで、書かなくてもわかるだろう、とww(←ォィ;
すいません、私そういう省き方よくやるんです><; あーちゃんと風也のテスト勉強のやつとか;;
期待してた方申し訳ありませんっm(__)m

みぃちゃんです♪♪笑
次の麗牙のやつにもでてくるんで楽しみにしててください><!!


杏樹.さん>

いやいや、そんな謝んないでくださいっ(汗;;

第三弾もちろん滅茶苦茶楽しみに待ってますが、無理はなさらないでくださいねっ><!!

わざわざご報告ありがとうございましたーwwww

有衣ねーいいなぁ! ( No.361 )
日時: 2010/09/28 19:25
名前: ARMA (ID: 45QnB5qh)

>期待してた方申し訳ありませんっm(__)m
とんでもないですっ。
続き読んだら、確かにあの後を書いたら間延びしてたかもなーって気がしましたよぉ。
にしても、今回は3つに分かれるって、長っ。。。でも相変わらずその長さを感じずに、一気読みできてしまうのが恐い(ぁ、"凄い"です...)。

あと、有衣ねーさん、いい奴じゃないですか!!笑いと泣きを同時にしてしまいました。
有衣に名前叫ばれて、イメージがガラガラと崩れていったシーンなんか、亜弓の日ごろからの痛ましいキャラが見事にマッチしてかなり面白かったです!
それと、ねーさん前回登場したときよりも更にサバサバ感が強烈になってて、今までのドロドロした雰囲気を一気に吹き飛ばしてくれましたねっ!!、、、、、有衣x-20とか書いてた自分がかなり愚か、、、、

ってことで、投票予定は、、、、、




水希x2!、有衣x1!


一人3票ってマジきついなぁ。。。。。

では、またっ!

Re: Enjoy Club杏樹.的E・C名言集3!!3!! ( No.362 )
日時: 2010/09/28 20:32
名前: 杏樹. (ID: W3aU.Uy/)

*———*。*Enjoy Club 名言集3*。*———*

ぇー、皆さんこんにちは、杏樹.でーs(

よし、ついにきました3!!すりーです、すりー。((

って事で、今回は第3弾ですっ!!ふh(

      *—————————*

①「…90前後」
「——はい!? ちょ…っ、不良の肩書きどこ行ったんですか!」

私もあーちゃんと全く同じ事思いましたwwww←

②「私だけだって、信じてたのです……!!」

っううううう!!あーちゃああああん!!!←
ジーンときましたあああ、この台詞ぅ・・・。((
ってか、この台詞マジやばいって!!←←

③「あんた泣かせたの、誰……!?」

っう(ry …心強いなぁ、いいなぁ…私もこんな友達ほしぃ…えれさまああああああ!!((

④「お前もう17!?」
「え!? いくつだと思って……」
「……13」
「それオレが下橋入った年!」

ここ!!ココ!!風也可愛い!!!マジ可愛いっ!!!←←

⑤「はぁっ、なんか思いっきり投げたらスッキリしたーっ」
「ざけんな、てめぇっ。危うく全身打撲になるとこだったじゃねぇか!」

なぜかこのかけ合い、笑えたwwwwww←

⑥「彼女じゃ……ないんですか……!? 風也、の……っ!」

あーちゃn…ココ読んでたら、泣けてくる…ぁあ…

あーちゃあああん!!
私とえれさまが傍にいるy((←お前はいらない。えれさまだけでいいかr。

⑦「マジ何してやがんだ! あンのバ風也——!!!」

バwwwwwwwかwwwwwwざwwwwwやwwwwww←

大爆笑wwwwwwww多分、杏樹.史上最大の大爆笑でsww((

とー……第3弾、終わりですwww

あ、これ第4弾もあr…((もうやめt。

第4弾もつくりますよwってか何弾でもつくりまs(


この名言集を読んでくださっている友桃様、そして皆さあああん!!←

ありがとうございますwってかこんなのつくっちゃって本当に良かったのか…マジありがとうございますwww←




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